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渋谷駅と新宿駅、飲食店を出すならどっち?昼・夜・観光・オフィス需要と店舗物件を比較

飲食店の駅比較・出店判断

渋谷駅と新宿駅、飲食店を出すならどっち?昼・夜・観光・オフィス需要と店舗物件を比較

渋谷と新宿は、どちらも来街者の多い巨大商圏です。しかし、駅利用者数だけでは飲食店の出店先を選べません。時間帯、街区、顧客の来街目的、店前導線、物件の階数と設備を分け、どの経営モデルなら候補にできるかを整理します。

調査・更新:2026年7月19日|2026年時点で入手可能な公開情報を使用(統計項目により対象年は異なります)

この記事で分かること

  • 渋谷と新宿の1km商圏、JR乗車人員、飲食店集積の違い
  • 昼・夜・平日・休日、観光・買物・オフィス需要の見分け方
  • カフェ、ランチ、居酒屋、予約制店など業態別の候補街区
  • 1階路面・空中階・地下店舗を進められる条件と見送る条件

結論:ブランド体験をつくるなら渋谷、複数需要を取り込むなら新宿が候補

駅名ではなく、「誰を・何時に・どの街区で取るか」で選びます。

  • 渋谷が候補:SNS・検索・ブランド認知から目的来店をつくれる店、若年層や感度の高い来街者を狙う店、夜・休日の体験価値を重視する店です。道玄坂・宇田川町と、宮益坂・桜丘では需要が異なります。
  • 新宿が候補:西新宿の平日ランチ、東口・新宿三丁目の買物需要、歌舞伎町の夜間需要など、複数の時間帯をオペレーションで取り込める店です。大量通行より、出口と街区の選択が重要です。
  • 個別判断:小規模な個人店、予約制の高単価店、空中階・地下店舗は、両駅とも成立余地があります。ただし、強いコンセプト、案内性、予約導線、固定費耐性のいずれかが不足するなら、両駅を見送る判断も必要です。

渋谷駅の出店判断サマリー

商圏タイプ
若年・買物・娯楽・オフィスが街区別に重なる広域来街型
主な強み
体験型、話題型、目的来店型の業態と相性をつくりやすい
主な弱み
坂・鉄道・大型施設で導線が分かれ、駅利用者全体を取れない
有望な立地
夜型は道玄坂・宇田川町、昼型は宮益坂・東口・桜丘を個別検証
最大のリスク
高い固定費と競合密度に対し、話題性が継続しないこと

新宿駅の出店判断サマリー

商圏タイプ
超広域交通結節点に、オフィス・買物・歓楽需要が並立
主な強み
昼食、買物途中、会食、夜間など複数の需要帯を選べる
主な弱み
駅と地下街が巨大で、出口を外すと想定客の導線から離れる
有望な立地
昼型は西口、終日型は東口・三丁目、夜型は歌舞伎町を個別検証
最大のリスク
通行量を過信し、客層・価格帯・営業時間が街区とずれること

結論の早見表

判断項目 渋谷駅 新宿駅
平日ランチ 宮益坂・渋谷駅東口・桜丘など、オフィス動線を限定できれば候補。街区外では昼需要を過大評価しない。 西新宿のオフィス街が有力候補。短時間提供、回転、テイクアウト、入店待ちの処理まで設計する。
夜・会食 道玄坂・宇田川町は若年・娯楽需要を取りやすい一方、競合と客引きの多い通りもある。宮益坂側は仕事帰り・会食を検討。 西口は仕事帰り、東口・三丁目は買物・会食、歌舞伎町は深夜まで選択肢がある。街区ごとに客単価と営業体制を変える。
休日・観光 買物・イベント・街歩きと結び付く体験型に向く。ただし、非定期客を観光客と同一視しない。 買物、乗換え、娯楽、宿泊など来街目的が多様。多言語対応は立地と客層を確認してから投資する。
新規集客 SNS、検索、コラボ、期間限定商品との相性をつくりやすい。話題終了後の再来店設計が必要。 自然流入の母数は大きいが、出口違いの通行は店前に来ない。地図、地下出口、看板の案内性が重要。
1階路面 テイクアウト、カフェ、短時間利用で効果を出しやすい。ただし、賃料だけでなく開業前賃料・造作・保証金を含めて判断。 駅直近・主要動線は回転型に向く条件がある。人が多くても立ち止まりにくい通路や横断困難な道路沿いは別評価。
空中階・地下 予約、検索、目的来店が中心なら候補。ビル入口、エレベーター、夜間の安心感、袖看板が成立条件。 縦型飲食ビルや地下街利用の文化がある街区では候補。ただし、入口の発見性、避難、排気、深夜の入退館制限を確認。
向く経営モデル 強い商品・世界観を持つ専門店、体験型、予約制、ブランド発信拠点。 ランチから夜まで需要帯を切り替えられる店、高回転店、複数店舗の運営ノウハウを持つ事業者。

同じ定義で比べる駅・1km商圏データ

比較の基礎は、店舗立地研究所の渋谷駅・新宿駅の商圏レポートです。駅利用はJR東日本の2024年度「1日平均乗車人員」に統一しました。私鉄・地下鉄各社は集計定義が異なるため、合算していません。

指標 渋谷駅 新宿駅
JR 1日平均乗車人員 324,414人(2024年度、JR東日本) 666,809人(2024年度、JR東日本)
JR定期外の比率 約53.6%(公表内訳から計算) 約50.5%(公表内訳から計算)
1km夜間人口 31,219人(2015年) 26,130人(2015年)
1km昼間人口 268,843人(2015年) 381,362人(2015年)
昼夜人口比 8.61(昼間人口÷夜間人口) 14.59(昼間人口÷夜間人口)
1km推計商業人口 732,754人(2021年) 941,089人(2021年)
1km世帯・単身世帯 21,070世帯、うち単身14,067世帯・66.8%(2020年) 19,239世帯、うち単身14,745世帯・76.6%(2020年)
1km飲食店事業所数 1,741事業所(2021年、M76) 2,516事業所(2021年、M76)
数値の読み方
新宿はJR乗車人員、昼間人口、商業人口、飲食店事業所数が渋谷より多い一方、これだけで新宿が上とは判断できません。1km円には実際には歩かない地域も含まれ、駅構内・地下街・商業施設内・路面の人流は別です。定期外利用者には買物客や業務利用者なども含まれるため、「定期外=観光客」でもありません。

注:JR東日本の渋谷駅は、公表された定期外173,860人と定期150,553人の合計が324,413人となり、公表合計324,414人と1人差があります。日平均値の端数処理による差と考えられるため、本文では公式の合計値を採用しています。前年比は渋谷103.3%、新宿102.5%で、それぞれ前年より約3.3%増、約2.5%増という意味です。

渋谷ならではの特徴:若者の街ではなく、街区が分かれた複合商圏

渋谷を一括して「若者の街」と捉えると、立地判断を誤ります。駅を挟んで、娯楽・買物・オフィス・住宅寄りの街区が分かれ、坂道と大規模施設が徒歩導線を変えています。

ハチ公口・センター街・宇田川町

休日若年体験

買物・娯楽・待合せ需要と接点をつくりやすい街区です。カフェ、スイーツ、専門料理などは候補ですが、競合の中で外観と商品が一目で伝わる必要があります。

道玄坂・円山町

夜居酒屋深夜

夕食・飲酒・二次会の需要を狙う候補です。同じ坂でも通り、横丁、ビル階数で客層が変わります。深夜営業、人員配置、防犯、騒音、ゴミ出しを営業計画と一体で確認します。

宮益坂・東口・渋谷ヒカリエ側

オフィス昼会食

平日ランチ、仕事帰り、打合せ需要を検討しやすい側です。大型施設内の飲食店と競合するため、短時間利用、専門性、予約性など、路面・ビルインを選ぶ理由が必要です。

桜丘・南口側

再開発オフィス坂

新しいオフィス・商業機能と既存の坂道・路地が共存します。再開発の完成イメージだけで判断せず、現在の改札からの歩行、工事による迂回、平日夜と休日の差を現地で測ります。

渋谷駅周辺では、2025年に駅街区計画の最終段階となる第II期工事が始まり、駅・歩行者ネットワークは2030年度、渋谷スクランブルスクエア中央棟・西棟は2031年度の完成予定と公式発表されています。将来の回遊性向上は判断材料ですが、現在の店前人流として先取りはできません。工事中の仮設通路と、完成後の入口位置を分けて確認します。

新宿ならではの特徴:巨大駅ではなく、4つの需要帯を選ぶ

新宿は乗車人員の規模が大きい一方、来街者は西口、東口、新宿三丁目、南口へ分散します。地下通路で移動が完結する人も多く、「駅から近い」だけでは店前を通りません。

西口・西新宿

平日昼オフィス仕事帰り

ランチ、弁当、会食、仕事帰りの需要を検討できます。昼休みの短さに合う提供速度と席回転が重要です。休日の弱い区画では、平日だけで固定費を回収できるかを試算します。

東口・新宿三丁目

買物終日会食

百貨店・専門店・映画館などと合わせた利用を狙えます。地下出口、交差点、施設入口の位置で人流が変わります。待ち合わせや複数人利用に合う分かりやすい案内が必要です。

歌舞伎町

夜娯楽訪日客対応

夜間・深夜の飲食需要を検討できる一方、警備、スタッフ確保、未収、騒音、ゴミ、客引きとの距離など運営リスクが増えます。営業時間を伸ばすほど利益が出るとは限りません。

南口・新南口

乗換え買物オフィス

交通・商業・オフィスが重なる側ですが、駅施設内で飲食を済ませる人もいます。地上へ出る目的と、店までの迂回の少なさを確認します。ファミリー対応は施設、段差、ベビーカー動線も重要です。

新宿区は、駅・駅前広場・駅ビルを一体化する「新宿グランドターミナル」を掲げ、2040年代の完成を見据えた段階的整備を進めています。2025年9月には西口駅前広場の車両・歩行者動線も変更されました。再開発は長期にわたるため、契約期間中の工事、仮囲い、搬入、将来の出口変更を物件単位で確認します。

昼・夜・観光・オフィス需要はこう比較する

昼需要:新宿西口が有力でも、客単価と回転が合わなければ成立しない

1km昼間人口は新宿381,362人、渋谷268,843人で、いずれも2015年値です。新宿はオフィスランチの対象を広く取りやすい一方、社員食堂、コンビニ、キッチンカー、施設内飲食とも競合します。渋谷は宮益坂・東口・桜丘などのオフィス動線に絞れば候補になります。昼型店は、11時30分、12時、13時の店前通行と入店数を別々に測ってください。

夜需要:街区の安全性と運営コストまで含める

渋谷の道玄坂・宇田川町、新宿の東口・歌舞伎町は夜需要が見込まれる街区ですが、深夜まで営業できることと、深夜営業が採算に合うことは別です。深夜人件費、終電後のスタッフ交通費、警備、清掃、酒類比率、近隣苦情を加えた時間帯別損益を作ります。会食型なら、騒がしさ、個室、タクシー乗降、ビルの共用部も選定条件です。

観光需要:駅利用者数ではなく、訪問目的とルートを確認する

両駅とも国内外からの来街がありますが、公開情報だけで個別路面の観光客比率は正確に判断できません。スマートフォンの位置情報や決済データを使わない限り、現地で言語、手荷物、団体行動、入店行動を観察する必要があります。メニュー多言語化やキャッシュレス対応は有効な場合がありますが、「駅が有名だから」という理由だけで設備投資を決めないでください。

休日需要:渋谷は体験、新宿は買物・娯楽との接続を検証

渋谷では商品や内装を含む体験価値、新宿では百貨店・映画館・娯楽・乗換えの前後に選ばれる利便性が重要になりやすいと分析できます。ただし、これは街区特性からの分析であり、物件前の行動を示す確認済み事実ではありません。土曜と日曜、晴天と雨天、イベント日と通常日を分けて現地調査します。

業態・経営タイプ別の向き不向き

カフェ・ベーカリー・スイーツ

渋谷:商品が視覚的に伝わり、買物・街歩きと結び付く店が候補です。滞在型は席面積と回転の両立が課題です。
新宿:通勤・買物の短時間利用や手土産需要を狙えます。駅施設内の強い競合と差別化できるかを確認します。

ランチ・ファストカジュアル

渋谷:宮益坂・東口・桜丘のオフィス導線で候補。昼ピーク以外の売上設計が必要です。
新宿:西新宿で比較的検討しやすい業態です。短時間提供、モバイル注文、弁当、席回転を同時に設計します。

居酒屋・バー

渋谷:道玄坂・宇田川町で若年・グループ需要を狙えますが、値引き競争に入らない専門性が必要です。
新宿:西口の仕事帰り、三丁目の会食、歌舞伎町の夜間など選択肢は広いものの、運営リスクも街区別に増減します。

予約制・高単価レストラン

渋谷:表通りから外れた空中階でも、世界観、予約導線、到着案内が強ければ候補です。
新宿:三丁目や西口周辺で会食需要を検討できます。駅名より、騒音、共用部、個室、タクシーアクセスを重視します。

テイクアウト専門

渋谷:若年層が多いという仮定ではなく、商品を持って歩ける目的地と滞在場所を確認します。
新宿:オフィス昼食や乗換え前後が候補ですが、店前で購入判断できる視認性と待機列の場所が必要です。

小規模な個人店

両駅とも条件付き:駅近1階を競うより、10〜20席程度の予約型、専門メニュー、営業時間限定など、固定費を抑えながら目的来店をつくれる物件を検討します。保守的な売上でも損益分岐を超えないなら見送ります。

向いていない可能性がある業態商品差が小さく価格だけで選ばれる店、店前通行に依存するのに空中階の案内性が弱い店、深夜営業の人員を確保できない店、初期投資の回収期間が契約期間を超える店は、両駅とも慎重な判断が必要です。

店舗物件は「階数」より、集客経路と変更できない設備で選ぶ

1階路面が向く条件

通行中に商品を理解でき、短時間で入店するカフェ、テイクアウト、ファストフードは1階路面の効果を出しやすい業態です。ただし、駅前の高い賃料を払っても、交差点の反対側、早足の通勤導線、店舗側に開口がない物件では効果が弱くなります。間口、袖看板、入口段差、待機列、前面歩道を現地で確認してください。詳しくは1階店舗と2階以上の店舗物件比較も参考になります。

空中階・地下が向く条件

予約、検索、SNS、既存顧客の紹介で来店する店は、空中階や地下でも候補になります。特に両駅の飲食ビルでは、上階へ行くこと自体が不自然ではない街区があります。ただし、建物入口が暗い、エレベーターが小さい、看板を出せない、閉館時刻が早い、携帯電波が弱い物件は集客と運営の両面で不利です。

居抜き・スケルトンの判断

居抜きは厨房や排気を再利用できれば工期と費用を抑えられますが、設備容量、ダクト経路、グリストラップ、給排水、防水、前借主の営業許可をそのまま引き継げるとは限りません。スケルトンは自由度が高い一方、建物側の容量不足は内装設計だけでは解決できません。居抜きとスケルトンの比較で、初期費用と退去時負担まで整理してください。

駅平均賃料を掲載しない理由
両駅について、駅距離、面積、階数、募集時点、居抜き・スケルトンを揃えた比較可能な公開データを確認できませんでした。そのため「渋谷より新宿が高い」といった駅平均の順位付けは行いません。募集坪単価は、掲載物件の構成で大きく変わります。

賃料ではなく、総固定費と回収期間で判定する

比較するのは月額賃料だけではありません。共益費、看板料、販促費、歩合賃料、保証料、警備・ゴミ処理費、深夜空調費を含めます。初期費用には保証金、礼金、造作代、仲介手数料、設計・工事、厨房機器、開業前賃料を加え、退去時の原状回復も別枠で見込みます。

  • 損益分岐売上高 = 月間固定費 ÷ 限界利益率
  • 必要客数/日 = 損益分岐売上高 ÷ 客単価 ÷ 営業日数

保守的な客数で計算し、ランチ満席や休日行列を前提にしないことが重要です。必要客数が席数・回転数・厨房能力を超える、投資回収が契約期間内に収まらない、解約時の原状回復資金を残せない場合は見送ります。

申込み前に確認する設備・契約・行政手続

飲食店営業は、物件契約と営業許可を別々に考えないでください。東京都は窓口・オンラインでの申請を案内していますが、移転、建替え、営業者変更などで必要な手続が変わります。契約前に所管保健所へ図面を持参し、相談するのが安全です。

  • 用途・建築:飲食店として使える用途か、用途変更や管理規約上の制約がないか
  • 消防:収容人数、避難経路、防火管理、厨房火気、内装制限、届出の要否
  • 厨房設備:電気容量、動力、ガス、給排水、グリストラップ、防水、排気ダクトの屋外排出先
  • 近隣条件:臭気、煙、騒音、振動、害虫、ゴミ保管と収集時刻
  • 営業条件:営業時間、酒類、深夜入退館、看板、テラス、搬入、共用部利用
  • 工事・退去:A・B・C工事区分、指定業者、工事可能時間、修繕負担、原状回復範囲

東京都内の飲食店は原則屋内禁煙で、喫煙室を設ける場合は構造基準や標識掲示などの確認が必要です。また、許可・届出対象施設には原則として食品衛生責任者を置きます。業態、設備、営業時間で要件が変わるため、「法律上問題ない」と仲介会社の説明だけで判断せず、保健所、消防署、建築士などへ物件ごとに照会してください。

渋谷・新宿で失敗しやすい6つの選び方

1.駅利用者数を店前通行量とみなす別の出口、地下通路、駅ナカで移動が完結する人は店前を通りません。
2.街区を無視して駅名で客層を決める渋谷の道玄坂と宮益坂、新宿の西口と歌舞伎町では来街目的と時間帯が異なります。
3.非定期客を観光客として計算する非定期には買物、業務、通学以外の移動などが含まれ、観光客数ではありません。
4.募集坪単価だけで物件を選ぶ安い空中階でも、排気工事、看板制限、開業前賃料、指定工事で総額が増える場合があります。
5.再開発完成後の人流を現在売上に入れる完成時期までの工事、迂回、入口変更があり、計画通りの店前流入は保証されません。
6.営業時間を長くすれば売上が伸びると考える深夜人件費、交通費、警備、空調、廃棄を含む時間帯別利益で判断する必要があります。

渋谷と新宿を選ぶ7ステップ

ターゲットと利用場面を1つに絞る会社員の平日昼、買物客の休憩、若年層の夜、会食、訪日客など、主需要を決めます。
駅ではなく候補街区を選ぶ渋谷はハチ公・道玄坂・宮益坂・桜丘、新宿は西口・東口/三丁目・歌舞伎町・南口に分けます。
同じ曜日・時間で現地比較する平日11時30分〜13時30分、18時〜21時、休日昼夜を歩き、人数、属性、進行方向、滞在、入店を記録します。
競合を需要の証拠と供給量の両面で見る店舗数だけでなく、価格、席数、待ち時間、営業時間、口コミ、閉店区画を調べます。競合が少ない理由も確認します。
保守的な損益分岐を作る賃料、共益費、販促、深夜費用、初期投資回収を含め、必要客数が席数と厨房能力の範囲かを判定します。
契約後に変えにくい条件を再内見する内装・設備業者を同行させ、電気、ガス、給排水、排気、防水、避難、工事区分、原状回復を確認します。
進める条件と撤退条件を文章化する店前通行、賃料上限、工事上限、許認可、開業日、投資回収のどれかを満たさなければ申し込まないと決めます。

よくある質問

小さな個人飲食店なら渋谷と新宿のどちらが向きますか?
駅だけでは決められません。強い専門性や予約客があるなら、渋谷の路地・空中階、新宿三丁目や西口周辺の小区画も候補です。一方、自然流入だけを前提に高額な駅前物件を借りる計画は慎重に判断してください。
観光客を狙うなら新宿の方が有利ですか?
JR乗車人員や商業人口は新宿が大きいものの、これらは観光客数ではありません。候補物件前の旅行者比率、宿泊施設からの動線、利用言語、価格帯を現地調査・人流データで確認する必要があります。
空中階の居酒屋は成立しますか?
検索・予約で来店し、建物入口、袖看板、エレベーターが分かりやすければ候補になります。排気、避難、深夜入退館、客待ち、共用部の印象を確認し、1階との差額が広告費と案内性の弱さを補えるかで判断します。
再開発エリアの近くを先に押さえるべきですか?
将来の歩行者ネットワークは参考になりますが、工事中の迂回や完成時期の変更もあります。契約期間中の現状導線だけで採算が成立し、完成後は上振れ要因として扱える物件が基本です。

最終結論:渋谷か新宿かより、街区と営業モデルの一致を優先する

渋谷は、若年・買物・娯楽・オフィス需要が街区別に重なり、商品と空間の体験を発信できる飲食店に向く条件があります。新宿は、平日ランチ、買物、会食、深夜など複数需要を選びやすく、高回転や時間帯別運営を実行できる事業者に向く条件があります。

ただし、渋谷の宮益坂と道玄坂、新宿の西口と歌舞伎町を同じ商圏として扱うことはできません。候補物件の入口を基点に、実際の進行方向、入店率、競合、設備、総固定費を確認してください。保守的な売上で必要客数を確保できず、排気・消防・工事・原状回復の不確実性が残る場合は、知名度の高い駅でも見送るのが妥当です。

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店舗立地研究所では、提携事業者と連携し、出店候補駅の比較、商圏・人流・競合分析、店舗物件探し、内見・契約前の条件整理、開業費用・事業計画の確認まで支援しています。

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データ利用上の注意

  • 公開統計は調査年度が異なります。本記事では数値の近くに対象年を記載しています。
  • 1km商圏は駅を中心とする円で、坂道、線路、幹線道路、施設入口による実際の到達範囲とは一致しません。
  • 駅乗車人員と店舗前通行量は異なります。地下・駅ナカ・別出口の利用者を店前客数に含めないでください。
  • 平均募集賃料は個別物件の賃料ではなく、公開募集物件も市場全体を示すものではありません。
  • 最終判断には、曜日・時間帯別の人流、競合、視認性、進行方向、階数、間口、設備、契約条件の現地確認が必要です。

参考資料・出典

  1. 「渋谷駅に出店するなら|商圏データ・人口・乗降人員から見る店舗立地分析」店舗立地研究所、掲載情報は2014〜2021年統計を含む、https://tenpo-ricchi.jp/shibuya-shouken-data/
  2. 「新宿駅に出店するなら|商圏データ・人口・乗降人員から見る店舗立地分析」店舗立地研究所、掲載情報は2014〜2021年統計を含む、https://tenpo-ricchi.jp/shinjuku-shouken-data/
  3. 「各駅の乗車人員 2024年度」東日本旅客鉄道株式会社、2024年度、https://www.jreast.co.jp/company/data/passenger/
  4. 「渋谷駅街区計画 最終段階となる第II期工事着手」東京地下鉄株式会社・東急株式会社ほか、2025年5月9日、https://www.tokyometro.jp/news/2025/220646.html
  5. 「市街地再開発事業」渋谷区、2026年4月17日更新、https://www.city.shibuya.tokyo.jp/kankyo/toshikeikaku/keikaku-info/sigaichi_kaihatsu.html
  6. 「新宿の拠点再整備方針~新宿グランドターミナルの一体的な再編~」新宿区、2026年4月7日更新、https://www.city.shinjuku.lg.jp/kusei/toshikei01_000001_00018.html
  7. 「新宿駅西口駅前広場の車両・歩行者動線変更」東京都、2025年9月5日公表、https://www.metro.tokyo.lg.jp/information/press/2025/09/2025090501
  8. 「営業許可申請・営業届」東京都保健医療局、2025年9月16日更新、https://www.hokeniryo.metro.tokyo.lg.jp/shisetsu/jigyosyo/tamafuchu/shokuhin/eigyokyokasinsei
  9. 「食品衛生責任者について」新宿区、2025年4月1日更新、https://www.city.shinjuku.lg.jp/jigyo/file03_04_00005.html
  10. 「飲食店等における受動喫煙対策」東京都保健医療局、2026年5月28日更新、https://www.hokeniryo.metro.tokyo.lg.jp/shisetsu/jigyosyo/hokenjyo/tamafuchu/kitsuen/kitsuen_inshokuten/inshokuten2

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この記事を書いた人

太田 満のアバター 太田 満 店舗立地研究所及び合同会社ビジネスデザインラボラトリーズ代表

合同会社ビジネスデザインラボラトリーズ 代表社員
店舗立地研究所 代表

株式会社みずほ銀行にて16年間、数百社の中小企業オーナー・個人事業主の渉外・融資審査・経営相談業務に従事。
2021年独立後は創業支援・店舗出店支援を多数手がける現役コンサルティング会社代表。

専門は店舗事業の商圏(エリア)分析。2,000以上のエリア分析を実施し、「負けない店舗経営」「失敗しないフランチャイズ選び」を支援中。

資格:中小企業診断士・宅地建物取引士・フランチャイズオーガナイザーのほか、賃貸不動産経営管理士・管理業務主任者・不動産証券化マスター・M&Aシニアエキスパートなどの資格も保有。

第19回(2026年4月30日締切)小規模事業者持続化補助金の申請者に対して、KLA(KDDI Location Analyzer)を用いた自社商圏分析サポートを実施。

その他、税理士事務所様などと共催の補助金セミナーなども行っており、店舗立地や補助金などのセミナー依頼も、公式LINEからお気軽にお問い合わせくださいませ。

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