学芸大学駅と都立大学駅、美容サロンを開業するならどっち?高所得住宅地・夜型消費・購買力流出構造から立地を比較
学芸大学と都立大学は、東急東横線でひと駅隣り合う目黒区の高所得住宅地です。ただし、学芸大学は6つの商店街と高架下施設が重層し来街倍率1.12倍の「地域集客型」商圏、都立大学は年収700万円以上世帯41.0%という高所得層を抱えながら来街倍率0.97倍の「購買力流出型」商圏という、正反対の構造を持っています。同じ美容サロンでも、選ぶべき立地・打ち出し方・競合との戦い方が変わります。
学芸大学駅1km圏は、飲食店267店舗・生活関連サービス業(洗濯・理容・美容・浴場業)146事業所という高密度な商業集積を持ち、夜間人口63,261人に対して推計商業人口71,164人・来街倍率約1.12倍という「地域内外から人が集まる」構造です。美容室・ネイル・アイラッシュ・エステはすでに一定数存在するため、技術・世界観・担当者の指名力で「比較されても選ばれる理由」を作れるサロンが候補になります。
都立大学駅1km圏は、年収700万円以上世帯が41.0%(学芸大学の39.6%を上回る)という高い購買力を持つにもかかわらず、推計商業人口54,308人は夜間人口55,914人の0.97倍にとどまり、生活関連サービス業も112事業所と学芸大学より少ない水準です。この「高所得だが受け皿となる店が少ない」構造は、自由が丘・学芸大学へ流出している購買力を地元で引き留める美容サロンにとって、競合が比較的少ないブルーオーシャンとなり得ます。
ただし、学芸大学は競合の多さがそのまま集客競争の激しさを意味し、都立大学は購買力があっても「地元で使いたくなる理由」を作れなければ自由が丘・学芸大学へ流出が続きます。どちらも駅の商圏データだけで判断せず、対象客層・客単価・来店周期・物件条件を具体化してから出店可否を判断してください。
30秒で分かる出店判断
出店判断サマリー
専門性訴求型・地域集客型サロン
- 主な顧客:1人世帯54.5%を占める都心通勤単身層、30代後半〜40代前半のファミリー層、渋谷急行8分圏の目的来街者
- 向くモデル:デザイン美容室、髪質改善・カラー専門、ネイル・アイラッシュ、パーソナル型エステ
- 有望な物件:6商店街沿いの路面、または高架下「GAKUDAI COLLECTIV/PARK STREET」隣接エリアの空中階
- 最大のリスク:生活関連サービス業146事業所という集積の中で、違いを説明できないサロンが比較されやすいこと
- 注意が必要:昼夜比0.60の夜型消費商圏で、日中営業だけに依存するモデル
総合判断:「学芸大学でこの店を選ぶ理由」を技術・空間・担当者で明確化し、競合の中で指名される仕組みを作れる場合に向きます。
地元受け皿型・購買力回収型サロン
- 主な顧客:柿の木坂・八雲・平町エリアの高所得ファミリー・ミドル層、持ち家世帯46.6%の定住層
- 向くモデル:完全予約制・地域密着型美容室、1人サロン、住宅地側の個室型エステ、ミドル層向けケア
- 有望な物件:駅北口の富志美会沿い、南口の平町商店街、または柿の木坂・目黒通り方面の住宅地近接物件
- 最大のリスク:来街倍率0.97倍という「購買流出型」の構造を放置し、認知導線を作らずに自由が丘・学芸大学へ流出させ続けること
- 注意が必要:昼夜比0.63で居住者の約37%が平日昼間に流出するため、日中営業だけの成立可否
総合判断:「地元で通える質の高いサロン」という立ち位置を作り、口コミ・紹介・LINE予約で購買力を地元に引き留められる場合に向きます。
結論の早見表
| 比較項目 | 学芸大学 | 都立大学 | 実務上の判断 |
|---|---|---|---|
| 商圏の基本 | 高所得純住宅地+6商店街の地域集客型 | 高所得住宅地+購買力流出型 | 同じ高所得でも「来街」と「流出」で正反対の構造。 |
| 新規集客 | 街の集積、検索、紹介、専門性 | 生活導線、紹介、地元での認知形成 | 学芸大学は比較検討、都立大学は「知られること」が壁。 |
| リピート | 技術・担当・世界観で指名化 | 通いやすさ・安心感・地元利用の理由で継続 | 来店周期と次回予約率を駅別に仮定します。 |
| 休日 | 街歩き客・GAKUDAI来街者が増える可能性 | 住宅地内の生活導線が主。休日流出も想定 | 休日人流を予約枠の稼働と同一視しません。 |
| 平日 | 夜型消費(昼夜比0.60)。夕方以降が核心 | 強いベッドタウン型(昼夜比0.63)。帰宅導線を確認 | 平日11時、15時、18時で顧客像を分けます。 |
| 1階路面 | 発見性は高いが競合と固定費が大きい | 商店街沿いなら日常利用の認知に有効 | 看板の価値が広告費・再来店へ寄与するかで判断。 |
| 2階以上 | 検索・指名・予約型なら成立余地 | 完全予約制・地域密着型なら成立余地が大きい | 都立大学は賃料差を運営に回しやすい。 |
| 向く経営 | 専門性・高指名率・ブランド化 | 地元密着・高継続率・購買力の受け皿 | どちらも駅名だけでは選ばれません。 |
店舗立地研究所の1km商圏データを比較
比較の基礎は、店舗立地研究所の学芸大学駅商圏レポートと都立大学駅商圏レポートです。夜間人口・世帯は2020年国勢調査、事業所数は2021年経済センサス、所得推計は2023年データが基礎となっており、調査年度が異なる点にご注意ください。
| 指標 | 学芸大学駅1km圏 | 都立大学駅1km圏 | 読み方 |
|---|---|---|---|
| 夜間人口 | 63,261人 | 55,914人 | 学芸大学が7,347人多い。両駅とも生産年齢人口比率は全国平均を大きく上回る。 |
| 総世帯数 | 36,238世帯 | 30,130世帯 | 各商圏レポート掲載値。所得表の分母にも使用。 |
| 1人世帯 | 19,754世帯(54.5%) | 15,016世帯(49.8%) | 学芸大学は都心通勤単身層がより厚い。 |
| 3人以上世帯 | 8,191世帯(22.6%) | 7,796世帯(25.9%) | ファミリー世帯の比率は都立大学がやや高い。 |
| 年収700万円以上 | 14,359世帯(39.6%) | 12,347世帯(41.0%) | 比率では都立大学が上回る。支払意思・美容支出を直接示さない。 |
| 年収1,000万円以上 | 8,280世帯(22.9%) | 7,137世帯(23.7%) | 2023年推計。高単価設定の十分条件ではない。 |
| 昼間人口 | 37,929人 | 35,148人 | 店舗前人流ではない。 |
| 昼夜人口比 | 0.60 | 0.63 | 両駅とも強いベッドタウン型。学芸大学がより夜型。 |
| 生活関連サービス業(洗濯・理容・美容・浴場業) | 146事業所 | 112事業所 | 2021年。美容サロンだけの件数ではないが、集積差の参考値。 |
| 小売業事業所数 | 404事業所 | 356事業所 | 2021年。飲食料品小売業などを含む。 |
| 飲食店数 | 267店舗 | 192店舗 | 2021年。競合・回遊性の目安。 |
| 年間小売販売額 | 約751.8億円 | 約574億円 | 2021年。商業規模は学芸大学が優位。 |
| 推計商業人口 | 71,164人 | 54,308人 | 小売指標。美容来店者数ではない。 |
| 来街倍率 | 約1.12倍(地域集客型) | 約0.97倍(購買流出型) | この差が学芸大学と都立大学の商圏構造の核心。 |
乗降人員は「サロン見込み客数」ではない
東急電鉄の2025年度1日平均乗降人員は、学芸大学駅が74,907人(定期36,010人・定期外38,897人、前年比+3.0%)、都立大学駅が46,628人(定期20,272人・定期外26,356人、前年比+0.5%)です。学芸大学は都立大学の約1.6倍の乗降規模を持ち、増加率も学芸大学のほうが大きい状況が続いています。東急の資料では自線内相互乗換人員は除く等の注記があるため、この数値をそのまま駅前通行量や美容利用者数と読み替えません。
定期外比率を計算すると、学芸大学は約51.9%、都立大学は約56.5%です。都立大学のほうが定期外比率が高い点は意外に見えますが、定期外には買い物・私用・通院・来客対応なども含まれ、必ずしも美容目的の来街を示すものではありません。参考値として置きつつ、実際の出口別人流・時間帯別属性は現地調査と予約経路の分析で検証してください。
美容サロンの商圏は4段階で絞る
学芸大学は年収1,000万円以上世帯が8,280世帯ありますが、生活関連サービス業がすでに146事業所存在するため「比較検討人口」の段階で強い競合圧を受けます。都立大学は同7,137世帯とほぼ同水準の高所得層を抱えながら競合が112事業所と少なく、「比較検討人口」の壁は低いものの、来街倍率0.97倍という数値が示すとおり「そもそも地元で美容サロンを探そうと思う」認知の壁が存在します。必要顧客数は人口ではなく、施術別の再来店周期と席・スタッフの生産性から逆算します。
この2駅ならではの立地構造
学芸大学:6つの商店街と高架下「GAKUDAI」が回遊を作る
学芸大学駅は東急東横線の急行停車駅で、駅を取り囲むように6つの商店街が広がります。2024年に本格稼働した高架下施設「GAKUDAI KOUKASHITA」(GAKUDAI COLLECTIV/GAKUDAI PARK STREET)は、親子カフェ・コーヒースタンド・ギャラリーカフェなど個性店を集積させ、碑文谷公園方面に新たな人流動線を生み出しています。美容サロンにとっては、この個性的な店舗集積の中で「学芸大学らしい世界観」を作れるかが問われます。
一方、長年の懸案だった都市計画道路・補助第26号線(目黒郵便局〜五本木交差点、約760m)は工事が進行し、2027年度末の開通が目標として示されています。開通後は駅西側と東側の分断が解消され、回遊性が変わる可能性があるため、開通前後で同条件の現地調査を行うことが重要です。
都立大学:北口・南口の商店街と柿の木坂の住宅地が分かれる
都立大学駅は北口の富志美会、南口の平町商店街を中心に地域密着型の商店街が広がり、その先には柿の木坂・八雲・平町・中根といった城南屈指の高所得住宅地が続きます。駅高架下の商業施設「ToritsuNade(トリツナード)」には倉式珈琲店などが出店し、駅前の利便性向上が図られていますが、大型商業施設はなく、学芸大学のような広域集客の仕掛けはまだ限定的です。
目黒区は東急東横線の都立大学〜自由が丘駅間で連続立体交差事業の検討を進めています。実現すれば踏切除却・駅前広場整備が進み、街の回遊性と商業ポテンシャルが変わる可能性がありますが、現時点ではあくまで検討段階であり、開業判断の前提にはできません。
業態・経営タイプ別の向き不向き
平日・休日、時間帯で必要条件が変わる
平日午前
在宅勤務、子育て、シニア、時間調整しやすい顧客が候補です。学芸大学では住宅側からの来店、都立大学では柿の木坂・八雲方面からの来店を確認します。
平日午後
長時間メニューを配置しやすい一方、空席が出やすい時間です。両駅とも生産年齢人口比率が高く、平日日中は通勤流出が進むため、稼働の仮定を慎重に置きます。
平日夕方・夜
学芸大学は昼夜比0.60という夜型消費の核心時間です。都立大学も昼夜比0.63で帰宅導線が重要になります。スタッフの終業・帰宅時間まで含め、営業時間を無理に延ばさない設計にします。
土日・祝日
学芸大学はGAKUDAI高架下・商店街の街歩き客が増える可能性があります。都立大学は住宅地内の生活導線が主で、休日も駅外への外出が起こりやすい点に注意します。
1階路面・空中階・居抜き・住宅地を比較
| 物件タイプ | 向くモデル | 主なリスク | 契約前の成立条件 |
|---|---|---|---|
| 駅前1階路面 | 新規認知、物販、入りやすさを重視 | 高い固定費、競合との視認性競争 | 視認性が予約・入店へ寄与し、通常月売上で賃料を負担できる |
| 駅前2階以上 | 検索・予約・指名中心の美容室、ネイル、アイラッシュ | 入口不明、EV待ち、看板制限、共用部閉館 | 地上入口、窓面、階段・EV、防犯、案内が揃う |
| 住宅地1階 | 近隣固定客、一人サロン、個室型(都立大学の柿の木坂・八雲方面など) | 初期認知、近隣、駐輪、用途、夜間照明 | 生活導線上で、紹介・予約を積み上げられる |
| 美容居抜き | シャンプー台・給排水・鏡面を再利用 | 配管不良、設備所有、席配置、前店評判、原状回復 | 試運転、設備表、修繕負担、造作譲渡を書面確認 |
| 事務所仕様 | ネイル・相談型など設備負荷が比較的小さい業態 | 美容所基準、給排水、用途、管理規約、工事制限 | 営業内容を伝え、行政・貸主・消防の確認を得る |
| スケルトン | ブランド空間と動線を一から作る多席サロン | 給排水・電気・空調・工期・開業前賃料・退去費 | 総投資と回収期間に余裕があり、席数を過大にしない |
直近1年のテナント平均坪単価は、都立大学が約28,084円/坪(2026年・飲食店ドットコム調べ)と、学芸大学(同時期の相場サイト調べで約29,853円/坪)よりやや割安な水準で推移しています。ただし平均値は募集件数・階数・面積・築年数の構成で変わるため、同条件の候補物件を同時期に比較することが重要です。詳しくは1階路面と2階以上の店舗物件比較も参考になります。
女性・子ども・高齢者が通いやすい物件条件
夜間の入口が暗い、エレベーターホールに人目がない、階段が急、共用トイレが遠い物件は、施術品質以前に来店不安を生みます。候補物件は営業時間中だけでなく、最終受付から退店時間まで確認します。
学芸大学は6商店街が入り組む地形のため、路地・上階でも道案内の簡潔さと夜の安心感が必要です。都立大学は柿の木坂・八雲方面の閑静な住宅地に近いサロンほど、街灯・人通りの少なさへの配慮が求められます。高齢顧客を想定する場合は、手すり、段差、椅子、トイレ、長時間施術の負担を確認します。両駅とも高齢化率は19〜20%台と全国平均より低いものの、持ち家世帯に長年定住するシニア層は一定数存在します。
設備は席数より先に給排水・電気・換気を見る
給排水・給湯
シャンプー台、洗濯機、流し、床上げ、排水勾配、給湯能力を確認します。既存配管の位置で席数とバックヤードが制約されます。
電気・動力
ドライヤー、加温機、空調、照明、給湯、洗濯乾燥を同時使用できる容量か確認します。増設可否・負担区分を書面化します。
空調・換気・臭い
薬剤・溶剤を扱う場合は換気と近隣への臭いを確認します。室外機置場、営業時間、窓開放の可否も物件ごとに異なります。
看板・窓面・通信
屋外広告物、窓面シート、置き看板の可否を確認します。予約・決済・顧客管理の通信回線も開業前に調査します。
美容居抜きでも、配管・給湯・空調・設備の所有者と修繕責任が不明なら、初期費用が安いとは判断できません。居抜きとスケルトンの総費用差は居抜き物件とスケルトン物件の比較も参照してください。
競合は件数より、顧客の重なりで調べる
2021年の生活関連サービス業(洗濯・理容・美容・浴場業)事業所数は学芸大学146、都立大学112ですが、これはクリーニング・理容・浴場業を含む分類です。現在の美容サロンだけの正確な競合数ではありません。候補地ごとに次の分類で調べます。
- メニュー競合:カット、カラー、髪質改善、ネイル、まつげ、エステ等。
- 価格競合:初回割引ではなく、2回目以降の通常価格と追加料金。
- 時間競合:施術時間、最終受付、土日枠、キャンセル規定。
- 担当競合:指名制、マンツーマン、スタッフ異動、口コミ内容。
- 立地競合:商店街沿い路面、駅前空中階、住宅地、一人サロン。
学芸大学のように競合が多いことは需要の存在を示す可能性がありますが、採用・広告・物件取得の競争も強いという意味です。都立大学のように競合が少ない場所も、未充足需要ではなく、顧客が学芸大学・自由が丘へ移動している可能性があるため、来街倍率0.97倍という数値の背景を必ず確認します。
スタッフ採用と多店舗展開の違い
学芸大学・都立大学はいずれも東急東横線を利用できますが、応募数や定着を保証しません。物件申込み前に、想定給与、歩合、休日、営業時間、交通費で求人テストを行い、スタイリスト・アシスタント・ネイリスト等を職種別に確認します。
学芸大学の専門性訴求型は、スタッフ個人の発信・指名に依存しすぎると退職時の失客が大きくなります。都立大学の地元受け皿型は、家族・固定客の予約を引き継げる運営と、平日昼間の通勤流出を前提とした人員配置が重要です。2店舗目を想定する場合は、店長候補、教育、予約・顧客データ、商圏重複を開業時から設計します。
家賃ではなく、必要施術数と総投資額で比較
平均募集坪単価は、募集件数、階数、面積、駅距離、築年数、居抜き・スケルトンの構成で変わります。学芸大学と都立大学の平均だけで優劣を決めず、同じ席数・設備・階数・契約期間の候補物件を同時期に比較します。
採算確認の基本式
必要月商 = 月間固定費 ÷ 目標限界利益率
必要施術数 = 必要月商 ÷ 平均客単価
担当者1人の必要施術数 = 必要施術数 ÷ 稼働スタッフ数
固定費には賃料・共益費、最低人件費、社会保険、広告、予約システム、リース、通信、保険、洗濯・廃棄を含めます。材料原価、決済手数料、歩合は変動費へ入れます。初回割引客単価ではなく、通常価格・メニュー構成・来店周期を反映します。
総投資額には保証金、礼金、仲介、内装、シャンプー台、給湯、空調、電気、看板、家具、採用研修、開業前賃料を含めます。退去時の配管・床上げ・看板撤去まで契約書で確認します。
美容所・消防・建築の確認
美容師が美容行為を行う美容所は、開設届を提出し、構造設備基準等への適合確認を受けてから使用する必要があります。学芸大学駅・都立大学駅の1km圏はいずれも東京都目黒区に位置するため、物件所在地を所管する目黒区の保健所へ相談します。目黒区は図面を持参した事前相談と、開店予定のおおむね1週間以上前の届出を案内しています。
まつ毛エクステンション等、美容師資格や美容所確認が関係する施術があります。一方、ネイル・エステ等はサービス内容で適用法令・資格・届出が異なります。「サロン」という名称だけで一律に判断せず、具体的な施術内容を所管窓口へ伝えてください。
内装工事・間仕切り・用途変更・収容人員に応じ、消防設備や建築確認が関係します。貸主が営業を認めても、行政上の基準を満たすことを保証しません。図面、席数、従事者数、施術内容、営業時間を用意し、保健所、消防署、建築担当へ申込み前に相談します。
失敗しやすい7つの選び方
出店を進める・保留する・見送る条件
- 対象客と専門性が明確
- 必要施術数が現実的
- 次回予約・失客の仮定がある
- 給排水・容量・換気を確認済み
- 採用または一人運営が成立
- 商店街・住宅地の人流が未調査
- 競合の通常価格が不明
- 補助26号線・連続立体交差の進捗を未確認
- 設備増設費が口頭のみ
- 行政への事前相談前
- 必要な給排水・容量を確保できない
- 夜間入口に安全上の懸念
- 必要施術数が席・人員を超える
- 美容所等の基準を満たせない
- 駅名以外に選ばれる理由がない
学芸大学か都立大学かを決める7ステップ
最終結論
学芸大学は居住人口・商業集積・来街倍率のすべてで優位に立ち、街のブランドと専門性を組み合わせるサロンの候補地です。ただし飲食店267店舗・生活関連サービス業146事業所という高密度な競合の中では、技術・担当・専門メニュー・空間の違いを明確にしなければ埋もれてしまいます。
都立大学は年収700万円以上世帯41.0%という都内トップクラスの高所得住宅地でありながら、来街倍率0.97倍という購買流出型の構造を抱えています。この購買力を「自由が丘・学芸大学まで行かず地元で使いたい」というニーズに転換できるサロンには、競合が比較的少ないという意味での機会があります。
最終的には、候補物件ごとの必要施術数、次回予約率、給排水・電気・換気、入口・EV、採用、美容所・消防条件まで確認し、未確定事項が残る物件は申込みを保留してください。
よくある質問
一人美容室ならどちらが向きますか?
作品・専門性・指名で広域から集めるなら学芸大学、近隣固定客と紹介を積み上げるなら都立大学が候補です。どちらも空中階・住宅近接を選べますが、入口と設備条件を優先します。
学芸大学では商店街の路面でないと難しいですか?
予約・検索・指名が強ければ2階以上でも成立余地があります。地上入口、窓面、看板、EV、夜間の安心感が条件です。賃料差が顧客体験や広告へ回せるかを計算します。
都立大学の「購買力流出」は本当に出店チャンスなのですか?
来街倍率0.97倍という数値は、居住者の購買力が地元よりも周辺駅で使われている可能性を示すものであり、確実な需要を保証するものではありません。実際には「地元で通いたくなる理由」を作れるかどうかが成否を分けるため、現地調査と競合分析を必ず併用してください。
美容室居抜きなら確認手続も引き継げますか?
自動的に引き継げるとは限りません。事業譲渡の承継制度はありますが、開設者、設備、構造変更等で扱いが変わるため、物件所在地を所管する目黒区の保健所へ契約前に相談してください。
補助第26号線や連続立体交差事業は出店判断に使えますか?
補助第26号線は2027年度末開通を目標に工事が進行中ですが、都立大学〜自由が丘間の連続立体交差事業はまだ検討段階です。いずれも将来的な参考情報として扱い、現時点の出店判断は現況の人流・競合・物件条件を優先してください。
美容サロンの物件申込み前にご相談ください
店舗立地研究所では、提携事業者と連携し、次の内容を支援しています。
- 学芸大学・都立大学の候補立地比較
- 商圏、人流、顧客属性、競合分析
- 美容サロン向け店舗物件探し
- 内見、契約前の設備・条件整理
- 必要施術数、開業費用、事業計画の確認
造作譲渡や賃貸借契約を決める前の段階からご相談ください。
関連記事
参考資料・出典
- 「学芸大学駅に出店するなら|商圏分析・立地・店舗物件選び」店舗立地研究所、2026年5月1日更新:https://tenpo-ricchi.jp/gakugeidaigaku-shouken-data/
- 「都立大学駅に出店するなら|商圏分析・立地・店舗物件選び」店舗立地研究所、2026年5月1日更新:https://tenpo-ricchi.jp/toritsudaigaku-shouken-data/
- 「2025年度 駅別乗降人員・輸送人員」東急電鉄、2026年6月25日更新:https://www.tokyu.co.jp/railway/company/business/passengers/2025/
- 「学芸大学駅(構内図・時刻表)」東急電鉄、2026年7月確認:https://www.tokyu.co.jp/area/gakugei-daigaku/station/
- 「都立大学駅(構内図・時刻表)」東急電鉄、2026年7月確認:https://www.tokyu.co.jp/area/toritsu-daigaku/station/
- 「学大街づくり通信(補助第26号線)」目黒区、2026年7月確認:https://www.city.meguro.tokyo.jp/toshiseibi/shigoto/machidukuri/tsushin.html
- 「東急東横線都立大学から自由が丘駅間連続立体交差事業の推進に向けて」目黒区、2026年7月確認:https://www.city.meguro.tokyo.jp/toshikiban/kusei/keikaku/chosa02.html
- 「美容所開設の手続き」目黒区、2026年7月確認:https://www.city.meguro.tokyo.jp/seikatsueisei/kenkoufukushi/eisei/biyojotetsuduki.html
- 「まつ毛エクステンションの危害」厚生労働省、2026年7月確認:https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000124086.html
- 「新たにテナントを使用する皆様へ」東京消防庁、2026年7月確認:https://www.tfd.metro.tokyo.lg.jp/lfe/office_adv/tenants.html
本記事は2026年7月21日時点で入手可能な公開情報を使用しています。店舗立地研究所の1km商圏データを比較の基礎とし、鉄道、開発、行政手続は公式情報で確認しています。
データ利用上の注意
- 公開統計は調査年度が異なり、現在の商圏と一致しない場合があります。
- 1km圏は共通比較範囲で、実際のサロン商圏はメニュー、価格、担当者、交通手段で変わります。
- 駅乗降人員と店舗前通行量は異なり、路線別数値の合計は固有利用者数ではありません。
- 生活関連サービス業(洗濯・理容・美容・浴場業)事業所数は美容サロンだけの現在店舗数ではありません。
- 推計商業人口・来街倍率は小売指標であり、美容サロンの顧客数・市場規模を直接示しません。
- 平均賃料と個別物件賃料は異なり、階数、面積、設備、契約条件で変わります。
- 出店判断では、人流、競合、入口、視認性、階数、給排水、電気、換気、採用、許認可を現地・個別に確認してください。


コメント