開業3か月で月商1,200万円。渋谷の隠れ家ビストロ運営会社が中目黒に仕掛ける、”余白”がテーマのネオビストロ「YOHAKU」
中目黒駅から徒歩7分、青葉台の一角に建つ「サクレピエス」ビルの地下1階。看板を大きく主張しない、無機質な雰囲気の店内に足を踏み入れると、和と洋が調和した創作料理と、黒毛和牛のローストの香りが迎えてくれる。2026年8月に開業した「YOHAKU」は、渋谷・道玄坂で開業わずか3か月で月商1,200万円を叩き出した隠れ家ビストロ「()kakko(カッコ)」の系列店だ。運営するのは、19歳で起業し栃木・東京に10店舗以上を展開する株式会社NextLevel。この記事では、公開されている取材記事から、姉妹店の急成長の裏側と、YOHAKUのメニュー・空間設計、そして中目黒という商圏の特性を掛け合わせて分析する。
2026年8月10日開業
運営 株式会社NextLevel(代表 杉山陸斗氏)
姉妹店「()kakko」は開業3か月で月商1,200万円
看板メニューは黒毛和牛のロースト
店舗立地研究所が、地域で気になるお店を独自に取り上げ、その店舗ならではの魅力や工夫を深掘りするとともに、商圏特性、店舗立地、顧客層、利用動機などの観点から分析するシリーズです。単なる店舗紹介や格付けではなく、実在するお店を通じて「なぜこの場所で、この業態が支持されるのか」を考えます。
今回取り上げる「YOHAKU」は、2026年8月に開業したばかりの新店です。単体では取材記事がまだ少ないものの、姉妹店である渋谷「()kakko」の急成長を報じた経営メディアの記事や、運営会社代表・杉山陸斗氏本人の経営哲学を語ったインタビュー記事が存在しており、その”勝ち方”の背景を読み解く材料が揃っています。店舗そのものの魅力と、それを支える経営母体のスピード感の両方から、この店の強さの理由を紹介します。
先に結論:「YOHAKU」の強さは、中目黒という一店舗だけを見ていては説明がつきません。運営会社である株式会社NextLevelは、2025年4月に渋谷・道玄坂で「ぴりおど。」と「()kakko」を同時開業し、わずか3か月で両店ともに月商1,200万円という繁盛店に育てた実績を持つ会社です。「映える空間づくり」と「SNS発信・インフルエンサー起用」を軸にした集客モデルを確立した同社が、その手法とスピード感を持って中目黒に投入した2つ目の”隠れ家ビストロ”がYOHAKUだと捉えると、SNSでの発見的な話題性から予約が取りにくくなっているという成長ぶりにも納得がいく。
YOHAKUは、東京都目黒区青葉台1-16-12「サクレピエス」B1Fに位置し、東急東横線・東京メトロ日比谷線「中目黒駅」から徒歩7分(食べログ表記では駅から424m)の場所にある。食べログの店舗情報によれば、オープン日は2026年8月10日で、席数はカウンター4席・テーブル28席・半個室4席・完全個室8席の合計42席という規模だ。8人用の完全個室に加え半個室も備え、20〜50人までの貸切にも対応する。全席禁煙で、クレジットカード・電子マネー(交通系IC・楽天Edy・nanaco・WAON・iD・QUICPay)・QRコード決済(PayPay・d払い・楽天ペイ・au PAY・Alipay・WeChat Pay)と幅広い決済手段に対応している点も特徴的だ。
営業時間は年中無休の17:00〜24:00(料理L.O.23:00/ドリンクL.O.23:30)で、定休日がない。予算は6,000〜7,999円程度。誕生日・記念日向けに追加料金でアニバーサリープレート(2,200円)やプレミアムプレート(3,300円)を用意するなど、女子会やデート、お祝いの利用を強く意識した設計になっている。英語・繁体字中国語・簡体字中国語・韓国語の多言語メニューや写真付き・デジタルメニューを備えている点は、インバウンド需要の厚い中目黒エリアを踏まえた対応と見られる。食べログの店舗紹介文では「『おいしい時間に余白を』和のテイストを活かしたフレンチ&イタリアン◇個室完備のおしゃれ空間」「”余白”を大切にした店内で、和と洋が調和したネオビストロ体験を提供」と紹介されている。
- 店舗名
- YOHAKU(ヨハク)
- 所在地
- 東京都目黒区青葉台1-16-12 サクレピエス B1F
- アクセス
- 中目黒駅から徒歩7分(約424m)
- 開業日
- 2026年8月10日
- 業態
- 和洋融合のネオビストロ(渋谷「()kakko」の系列店)
- 営業時間
- 17:00〜24:00(年中無休)
- 定休日
- なし
- 席数
- 42席(カウンター4・テーブル28・半個室4・完全個室8)、貸切可(20〜50人)
- 予算
- 6,000〜7,999円程度
- 運営
- 株式会社NextLevel(代表取締役社長 杉山陸斗氏)
- 公式情報
- 店舗公式Instagram(@yohaku.nakameguro)
YOHAKUの強さを理解する上で欠かせないのが、運営会社・株式会社NextLevelの成長スピードだ。飲食店取材メディア「Foodist」の記事によれば、同社は2025年4月10日、渋谷・道玄坂の同一ビル内に「ぴりおど。」(1階)と「()Bistro kakko」(2階)という異なるコンセプトの2店舗を同時開業し、開業からわずか3か月で両店ともに月商1,200万円という繁盛店へと成長させた実績を持つ。それぞれ22坪、合わせて44坪という規模ながら、坪月商にして約55万円という数字を叩き出しているという。
「1階、2階ともに、どこから切り取っても”映える”空間づくりを意識しました。写真を撮ってSNSにアップしたくなるような、そんな場所にしたかったんです」
――大塚響生氏(株式会社NextLevel 常務取締役)、Foodist「開業3か月で月商1,200万円。渋谷『ぴりおど。』と『()kakko』同時オープンで相乗効果!」より
同記事では、集客の軸をInstagramに据え、インフルエンサーの起用も積極的に行っていることが明らかにされている。20代の若い世代を中心にSNS発信で支持を広げるという手法は、まさに今回のYOHAKUが「SNSでの発見的な話題性から予約が取りにくい人気店へ成長している」という状況とも符合する。運営会社を率いる杉山陸斗代表取締役社長は、経営者インタビューメディア「Business Plus」の取材に対し、自身の経歴と経営哲学を次のように語っている。
「19歳の時に飲食店を開業し、今年2025年で7年ほどになりますね。徐々に店舗数を増やし、事業の法人化を経て、おかげさまで計10店舗を運営するまでになりました」
「店舗のジャンルなどもこだわらず、居酒屋店やレストラン、シーシャバーなど、その時々のトレンドやお客様のニーズに合わせて柔軟に出店しています」
――杉山陸斗氏(株式会社NextLevel 代表取締役社長)、Business Plus 経営者インタビューより
栃木県小山市を拠点に居酒屋3軒・美容サロン2軒を展開してきた同社は、東京進出にあたって中目黒にも「Seacret Base」(シーシャ・カフェ、東山1-9-14)を先行して出店しており、YOHAKUはこのエリアでの2店舗目という位置づけになる。渋谷での成功パターンを引っ提げて中目黒に投入されたのがYOHAKUだと捉えると、開業からわずかな期間で話題性を獲得しているという成長曲線にも、単なる偶然ではない再現性の高さが見えてくる。
YOHAKUの看板メニューは、食べログの店舗情報や複数の来店者の投稿で繰り返し言及される「黒毛和牛のロースト」だ。食べログの紹介文には「黒毛和牛のローストや季節の野菜など、食材の良さを活かした逸品がおすすめ。出汁や山椒」と記載されており、フレンチ・イタリアンの技法をベースにしながら、出汁や山椒といった和の要素を効かせるアプローチが取られていることがうかがえる。来店者のInstagram投稿でも「炭火黒毛和牛イチボ」や、コースの入りとなる「フレッシュアボカドディップ」などのメニューが紹介されており、フレンチ・イタリアンの技法をベースにした創作性の高い一皿が、コースの中心に据えられている様子が確認できる。
食べログの特徴欄では「野菜料理にこだわる」「魚料理にこだわる」「健康・美容メニューあり」と記載されており、肉料理だけでなく季節の野菜や魚介にも一定の力点が置かれていることがわかる。ドリンクは焼酎・ワイン・カクテルを揃え、ワインにこだわりを持つという記載もあることから、料理と合わせた飲み比べを楽しめる構成になっているようだ。「おいしい時間に余白を」というコンセプトが示すとおり、忙しない日常から少し離れて、ゆったりと食事を楽しんでほしいという意図が、店名にも料理のコンセプトにも通底していると考えられる。
食べログの口コミでは「店内は無機質なカフェっぽい雰囲気で若い女子が好き」といった評が寄せられており、来店者のInstagram投稿でも「内装もシックで」「実はここ…中目黒にNEWOPENしたばかりの隠れ家カジュアルビストロ。一見どこにでもありそうなビストロに見えるがここの料理はすべて本格的すぎる」と紹介されている。食べログの「ロケーション」欄にも「隠れ家レストラン」と明記されており、外観から店の実力をうかがわせない、静かな佇まいであることが複数のソースから読み取れる。
「発見される」設計そのものが、SNS時代の集客装置になっている。
姉妹店「()kakko」「ぴりおど。」の取材記事では、運営会社が「どこから切り取っても”映える”空間づくり」を明確な戦略として位置づけていることが語られています。YOHAKUの無機質な内装や、外観から実力をうかがわせない隠れ家的な立地も、この戦略の延長線上にあると見るのが自然でしょう。看板で通行客を呼び込むのではなく、来店者が撮った写真がSNSで拡散されることで「発見」されていく、令和的な集客モデルの実践例だと言えます。
店舗立地研究所が整理した中目黒駅半径1km圏のデータでは、夜間人口58,360人に対し昼間人口78,968人、昼夜比1.35という「都心近接型の高感度商圏」であることが示されている。1人世帯比率は57.7%と過半を大きく上回り、高所得世帯比率(年収700万円以上)は41.2%、年収1,000万円以上の世帯も23.8%に達するなど、SNSでの情報収集に積極的で、かつ話題の店に足を運ぶ消費行動を取りやすい単身・DINKS層が厚く集積している。一方で飲食店数は674店舗と、目黒区内でも突出した商業集積を形成しており、駅前・路面店を巡る競争は極めて激しい。中目黒駅周辺の店舗テナント賃料相場は坪単価平均36,517円(2026年、2023年比約16%上昇)とされ、希少な路面店物件を巡る競争も熾烈だ。
YOHAKUが選んだのは、この過密な駅前競争を避けた、地下1階という半地下の立地だ。路面での視認性に頼らず、SNSでの発見的な話題性を集客の主軸に据えるというNextLevelの戦略は、まさにこうした「情報感度の高い単身層が厚く、かつ既存の飲食店密度が高い」商圏でこそ機能しやすい。駅近の一等地に高い賃料を払って看板を掲げるのではなく、口コミとSNSの拡散力で”発見”されることを狙う立地選びは、賃料負担を抑えつつ話題性を獲得するという、合理的な出店判断だと考えられる。
| 中目黒駅1km圏の指標 | 公開値 | 「YOHAKU」への読み替え |
|---|---|---|
| 昼夜人口比 | 1.35(昼間流入型) | 年中無休17時〜24時営業という設計は、平日の会食需要と週末の女子会・デート需要の両方を取り込みやすい構造です。 |
| 1人世帯比率 | 57.7%(都内有数の単身集積) | SNSでの情報収集に積極的な単身・DINKS層が多く、インフルエンサー発信による「発見型」集客と相性が良い商圏です。 |
| 高所得世帯比率 | 41.2%(年収700万円以上) | 6,000〜7,999円という客単価やアニバーサリープレート(2,200〜3,300円)といった付加サービスへの支出余力があります。 |
| 飲食店数 | 674店舗(激戦区) | 路面での視認性競争を避け、地下1階・看板を主張しない立地でSNS拡散力による集客を狙う戦略が成立しやすい環境です。 |
| テナント賃料坪単価 | 36,517円(2026年・前年比上昇) | 路面の一等地を避けた立地選びは、賃料負担を抑えつつ「隠れ家」としての話題性を高める一手にもなっています。 |
※中目黒駅の商圏データは、国勢調査・経済センサス等を基礎として店舗立地研究所が整理した半径1km圏の公開値です。統計項目により基準年が異なり、店舗の実際の来店客数や売上を示すものではありません。
渋谷で確立した「映える空間づくり×SNS戦略」という成功パターンを、そのまま中目黒に持ち込むスピード感が、開業直後からの話題性を支えています。
路面の視認性競争を避け、地下1階という控えめな立地でありながら、SNS拡散力を軸に集客する仕組みが、飲食激戦区・中目黒での差別化になっています。
19歳での起業から10店舗以上を展開するに至った杉山氏の、ジャンルにとらわれず時代のニーズに応じて挑戦するという経営スタイルが、出店ペースの速さの背景にあります。
「YOHAKU」は、単体の新店として見るだけでは、その強さの全体像がつかみにくい店です。運営会社・株式会社NextLevelが渋谷・道玄坂で確立した「開業3か月で月商1,200万円」という実績、そしてその根底にある「映える空間づくり」と「SNS発信・インフルエンサー起用」という集客モデルを理解することで、中目黒という飲食激戦区でありながら、看板を主張しない立地から話題性を獲得しているYOHAKUの成長ぶりに、単なる偶然ではない再現性が見えてくる。黒毛和牛のローストを軸にした和洋融合の創作料理と、無機質で”映える”内装は、この経営モデルを体現する具体的な表現だと言えるだろう。
この記事は公開情報を基にした分析であり、運営会社・店舗の担当者様から直接お話を伺えたわけではありません。「YOHAKU」という店名やコンセプトに込めた思い、渋谷での成功モデルを中目黒に持ち込むにあたっての具体的な工夫、内装デザインに込めた意図など、公開情報だけでは分からないことが数多くあるはずです。もし取材の機会をいただけましたら、開業の経緯やお店づくりの背景について直接お伺いし、改めて記事としてお届けできればと思っております。
はい、可能です。今回の「YOHAKU」のように、姉妹店や運営会社の取材記事など既存の公開情報が一定量あるお店であれば、独自分析記事として取り上げさせていただくケースもあります。また、店舗様ご自身からの直接取材・情報提供をいただける場合は、より深く・正確な内容の記事に仕上げることができます。掲載をご希望の店舗様は、下記の公式LINEまたはお問い合わせフォームからお気軽にご連絡ください。
対応可能です。店舗立地研究所では、本記事で紹介したような駅別の商圏データ(人口構成・世帯年収・昼夜人口比・競合店舗数など)を活用し、新規出店・移転・多店舗展開を検討されている事業者様向けに、候補エリアの比較分析や出店可否のご相談を承っています。「Aエリアと Bエリアどちらが良いか」といった比較検討の段階からでもご相談いただけます。
飲食店に限らず、美容サロン、整体・リラクゼーション、パーソナルジム、専門小売店など幅広い業種でご相談いただいています。個人店・小規模グループから多店舗展開を目指す事業者様まで、規模を問わず対応可能です。資金調達や補助金活用に関するご相談も合わせて承っております。
店舗立地研究所では、飲食店、美容サロン、整体・リラクゼーション、パーソナルジム、専門小売店など、地域で営業する店舗の魅力を、立地・商圏・顧客層の視点から紹介しています。
掲載・取材をご希望の店舗様は、公式LINEまたはお問い合わせフォームからお気軽にご連絡ください。店舗の出店・移転・商圏分析、事業計画、資金調達、補助金活用、集客、省力化のご相談についても対応しております。
- Foodist「開業3か月で月商1,200万円。渋谷『ぴりおど。』と『()kakko』同時オープンで相乗効果!」(運営会社概要、姉妹店の経営実績、SNS戦略)
- Business Plus 経営者インタビュー「親身な接客を大切にする 飲食店&美容サロン運営 株式会社NextLevel 代表取締役社長 杉山陸斗」(代表・杉山陸斗氏の経歴、経営哲学)
- 食べログ「YOHAKU」店舗情報(住所、営業時間、席数、支払い方法、コンセプト、開業日)
- 食べログ「YOHAKU」口コミ一覧(内装・雰囲気に関する来店者評)
- 食べログ「kakko」(渋谷・道玄坂)店舗情報(姉妹店の基本情報)
- YOHAKU 店舗公式Instagram(@yohaku.nakameguro)
- 店舗立地研究所「中目黒駅商圏データ完全公開」(中目黒駅1km圏データ)

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