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三軒茶屋駅と下北沢駅、居酒屋を開業するならどっち?住宅リピーター・若年来街者・夜間需要・路地裏物件を比較

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駅比較|居酒屋の出店立地

三軒茶屋駅と下北沢駅、居酒屋を開業するならどっち?住宅リピーター・若年来街者・夜間需要・路地裏物件を比較

三軒茶屋と下北沢は、どちらも小規模な飲食店が街の魅力をつくる人気エリアです。しかし、同じ「若い人が集まる街」として選ぶと、平日夜の再来店、週末の来街目的、価格設計、必要な視認性を読み違えます。両駅の半径1km商圏データと最新の鉄道公表値を使い、居酒屋の経営モデルと物件条件まで比較します。

調査時点:2026年7月20日人口・世帯:2020年昼夜人口:2015年飲食店・小売:2021年
結論:常連を積み上げるなら三軒茶屋、来街目的と店の個性を結び付けるなら下北沢

  • 三軒茶屋が向く条件:近隣居住者と帰宅客を中心に、平日夜も一人客・2〜3人客を取り込み、再来店で席を埋める小型居酒屋です。カウンター主体、日常使いできる価格、店主・スタッフとの関係性が強みになります。
  • 下北沢が向く条件:演劇・音楽・買い物など街への訪問目的と相性があり、初回来店を店のテーマ性や発信力で指名来店へ変えられる居酒屋です。週末だけでなく、平日夜の固定客化が成立する設計が必要です。
  • 個別判断になる条件:深夜帯を売上の柱にする店、地下・2階以上、狭い路地、重飲食居抜きです。用途・管理規約・排気経路・防音・避難・ごみ出し・深夜営業の手続きが確認できなければ、駅の魅力にかかわらず申し込みを止めます。

両駅の優劣ではなく、「誰が、何時に、何人で、なぜこの店を選び、何日後に再来店するか」を物件前の導線へ落とし込める駅を選ぶことが結論です。

出店判断サマリー

商圏タイプ
三軒茶屋は住宅リピーターを軸にしやすい生活商圏。下北沢は住宅商圏に若年・文化目的の来街が重なる目的来街型商圏です。
主な顧客像
三軒茶屋は近隣の単身・少人数世帯、都心からの帰宅客。下北沢は近隣居住者に加え、買い物・観劇・ライブ等で訪れる若年層や少人数グループを想定します。
強み
三軒茶屋は居住人口と平日夜の反復利用。下北沢は街自体の来訪理由と、個店を探して歩く回遊性です。
弱み
三軒茶屋は常連化できなければ埋没しやすく、下北沢は週末・話題性への依存と競合密度に注意が必要です。
向く業態
三軒茶屋はカウンター酒場、焼鳥・小皿料理、地域密着ワイン酒場。下北沢は専門テーマ型、クラフト系、観劇前後に使える小皿・短時間利用型です。
注意業態
大箱宴会型、低価格で大量回転だけを狙う店、排気・騒音負荷が高いのに住宅への離隔がない物件は、両駅とも慎重に判断します。
有望な立地
三軒茶屋は帰宅導線と住宅地の接点、下北沢は目的施設から駅へ戻る回遊導線上。ただし通り名ではなく、物件前を時間帯別に計測します。
最大のリスク
乗降人員や街の知名度を店前通行量と読み替え、家賃・工事費を上回る再来店設計がないまま契約することです。
総合評価
平日リピーターを経営の土台にするなら三軒茶屋が比較しやすく、店舗の個性で広域の初回来店を獲得できるなら下北沢が候補です。どちらも立地より先に損益構造を決めます。
現地確認
火〜木、金曜、土日それぞれの18時・20時・22時台に、進行方向、人数構成、滞留、競合入店、ごみ・騒音、終電前の変化を確認します。

結論の早見表

判断軸 三軒茶屋 下北沢 出店判断への使い方
需要のつくり方 近隣居住者・帰宅客の反復利用 目的来街者の初回来店と固定客化 新規客数ではなく、90日以内の再来店率を仮説化します。
平日夜 日常使いと一人・少人数需要を狙いやすい イベントの有無や曜日で振れ得る 火〜木の損益分岐点を超えられるかを優先します。
週末 住民利用と友人同士の外食 買い物・文化目的の来街を取り込みやすい 週末満席だけで月次黒字と判断しません。
一人客 単身世帯比率62.5%で、カウンター設計と整合 単身世帯比率61.6%。住民と来街者を分けて考える 比率は需要の保証ではなく、席構成の仮説に使います。
店の個性 味・接客・日常価格で「近所の行きつけ」をつくる 業態テーマ・世界観・発信で「この店へ行く」をつくる 競合と同じ商品・価格なら、駅を変えても埋没します。
路地裏 地域認知と口コミがあれば成立余地 探索行動と指名来店があれば成立余地 入口、看板、夜間照度、迷いやすさを実査します。
2階・地下 常連比率が高く、階段入口が見えること 予約・検索・発信で目的来店をつくれること 家賃差ではなく、集客費・看板制約・避難設備を含めて比較します。
最大の注意点 「飲み屋の街だから常連がつく」という思い込み 「若者が多いから安ければ入る」という思い込み 客層・時間・利用動機を現地で分解します。

まず確認したい両駅の商圏データ

以下は、店舗立地研究所が公開する両駅の半径1km商圏レポートを基礎に、同じ指標・同じ年度で並べたものです。統計年が異なる項目を一つの比率へ合成していません。

指標 三軒茶屋駅1km圏 下北沢駅1km圏 年度・読み方
夜間人口 71,999人 54,123人 2015年。居住人口の基礎指標です。
昼間人口 59,195人 32,671人 2015年。夜間人口との比は各0.82、0.60です。
人口総数 74,419人 56,131人 2020年。2015年の昼夜人口とは別時点です。
総世帯数 44,514世帯 33,616世帯 2020年。
1人世帯 27,832世帯(62.5%) 20,714世帯(61.6%) 2020年。内訳合計は総世帯数と一致しています。
飲食店事業所 403事業所 402事業所 2021年。居酒屋だけではなく飲食店全体です。
年間小売販売額 7,337,049万円(約733.7億円) 5,723,991万円(約572.4億円) 2021年。飲食売上ではありません。

出典:店舗立地研究所「三軒茶屋駅」「下北沢駅」商圏レポート。昼夜比は昼間人口÷夜間人口を再計算し、小数第2位で表示。

三軒茶屋は人口規模、下北沢は来街目的の強さで読む

三軒茶屋は、同じ半径1kmで人口・世帯数が下北沢より大きく、1人世帯比率も62.5%です。これは、一人で短時間利用できるカウンター、少量の料理、週に複数回使える価格の仮説と整合します。ただし、人口が多いだけで自店の前を通るとは限りません。田園都市線の地下駅から、茶沢通り、世田谷通り、栄通り、三角地帯、住宅地側へ人が分かれるため、出口と帰宅方向を物件単位で確認します。

下北沢は2015年の昼夜比が0.60で、統計上は夜間人口が昼間人口を上回る住宅地型です。一方、街には劇場・ライブハウス・物販など固有の来訪理由があります。昼夜比は「夜に遊ぶ人の数」ではなく、常住人口と昼間人口の関係です。夜間の来街需要は、イベント日と通常日を分け、店前で確認しなければなりません。

検算上の重要な注意:2025年度の1日平均乗降人員は、三軒茶屋駅の東急田園都市線が141,665人、下北沢駅の小田急線が123,300人、京王井の頭線が108,681人です。ただし、下北沢の2社値には乗換客が重複し得るため単純合計を「実利用者数」とは扱いません。また、東急世田谷線の全線輸送人員を三軒茶屋駅の利用者へ足すこともできません。鉄道利用者数は店前通行量でもありません。

この駅ならではの特徴を居酒屋経営へ置き換える

三軒茶屋:駅から住宅へ分岐する「帰宅途中」の取り方

三軒茶屋の特徴は、地下の田園都市線、地上の世田谷線、バス、複数の商店街・住宅街が近い範囲に重なることです。駅の乗降規模が大きくても、客の進行方向は一枚岩ではありません。

  • 茶沢通り:歩行者の動きと商業の連続性を確認しやすい一方、駅から何分かだけでなく、横断位置や帰宅方向が重要です。
  • 三角地帯・細街路:小型店の雰囲気をつくりやすい反面、排気、搬入、ごみ、避難、近隣住宅との距離が契約判断を左右します。
  • 世田谷通り・栄通り側:バス・住宅地への動線が絡むため、通過量より「どちら側の住民が戻るか」を見ます。

店主の顔が見える小規模店、週1回前後の利用を狙う酒場、平日21時以降も一人で入りやすい店に適性があります。反対に、観光客や週末の新規客だけで大箱を埋める計画は慎重です。

下北沢:文化・買い物目的を「飲む理由」へ変える

下北沢の特徴は、小田急線と京王井の頭線の結節に加え、劇場、音楽、古着・物販、商店街など複数の来訪目的が徒歩圏に分散することです。駅前だけでなく、目的施設の前後にどの方向へ流れるかが重要です。

  • 駅東側・中央付近:初来街者にも分かりやすい一方、競合との比較が起きやすく、外観と入口の説明力が必要です。
  • 南側・北側の商店街:通りごとに客層と時間帯が変わるため、「下北沢」という駅平均で判断できません。
  • 路地・線路跡地周辺:回遊と目的来店を取り込める可能性がありますが、イベントの有無、夜の照度、駅へ戻る方向を実査します。

専門料理、クラフト酒、音楽・カルチャーと相性のある世界観など、店を選ぶ理由が明確な業態に適性があります。反対に、「若者が多いから低価格」で差別化しない店は、価格競争と客数変動を受けやすくなります。

平日・週末・時間帯で需要を分ける

火〜木:家賃を支える通常日の再来店を確認する

居酒屋の立地判断では、金曜と土曜の混雑より、火〜木に何席が埋まるかが重要です。三軒茶屋では、帰宅途中の単身者、近隣で働く人、地元の少人数会食が中心仮説になります。下北沢では、通常日の地元客に加え、観劇・ライブ等の終了時刻と重なる需要が候補です。ただし、イベント需要は日程で変動するため、通常週とイベント週を分けて観察します。

金曜・土曜:満席より入店を断る時間と客層を見る

混雑時間に見るべきなのは、単なる人数ではありません。1組の人数、待ち時間、1軒目か2軒目か、競合が何時に満席になるか、入れなかった客がどちらへ流れるかです。三軒茶屋で2軒目需要を狙うなら、住宅へ帰る前の進行方向に入口があるかを確認します。下北沢で観劇後需要を狙うなら、終演後の短い集中時間に注文・提供・会計を処理できる必要があります。

22時以降:売上機会と近隣リスクを同時に見る

終電前後の需要を狙う場合、店内売上だけでなく、退店客の路上会話、喫煙、ごみ出し、瓶・缶の音、タクシー待ちまで確認します。住宅が近い両駅では、深夜の数組が売上を増やしても、苦情や営業時間制限につながれば経営上の損失が大きくなります。深夜帯を主軸にする物件は、賃貸借契約・管理規約・用途地域・警察への手続きの要否を契約前に個別確認します。

現地調査の最低単位:火〜木の18時・20時・22時、金曜の同時刻、土曜の16時・19時・22時を一度ずつ確認します。雨天やイベント開催日だけの観察で結論を出さず、同じ立ち位置から10〜15分、進行方向・年代・人数構成・競合入店を記録します。

向く居酒屋・条件付きで向く店・注意が必要な店

三軒茶屋に比較的向く

  • 一人客を受けるカウンター中心の小型酒場
  • 焼鳥、小皿、家庭料理など反復利用しやすい店
  • 予約なしでも短時間利用できる地域密着店
  • スタッフの接客が再来店理由になる店

下北沢に比較的向く

  • 料理・酒・空間に明確な専門テーマがある店
  • 観劇・ライブ前後の短時間利用に対応する店
  • 検索・SNS・口コミで路地裏へ呼べる店
  • 初回来店を会員・予約・接客で固定客化する店

両駅で慎重に判断

  • 大人数宴会を主力にする大箱
  • 安さだけで大量回転を狙う店
  • 排気負荷が高いのにダクト経路が未確認の店
  • 金土の売上だけで採算を組む店

「向く」は商圏との相性を示すもので、売上を保証する評価ではありません。商品力、価格、営業時間、運営人数、物件条件を合わせて判断します。

路面店・路地裏・空中階・居抜きの成立条件

物件タイプ 成立しやすい条件 契約前に止めて確認する条件
1階路面 初回来店が多く、外から価格・席の雰囲気・空き状況が伝わる。通行の進行方向に入口が向く。 高い固定費を客数で回収できるか。間口が広くても、横断できない道路や早足の通過動線なら入店につながらない。
路地裏 口コミ・検索・地域認知があり、店の存在自体が来店理由になる。夜間も入口まで安心して歩ける。 排気先が住宅の窓に近い、搬入・ごみ回収車が入れない、避難経路が狭い、看板設置ができない場合。
2階以上 予約・指名来店比率が高い。階段またはエレベーター入口が通りから見え、1階に十分な案内表示を置ける。 階段が暗い・急、入口が建物奥、営業時間中に共用部が閉まる、看板・窓面利用に制限がある場合。
地下 防音面の利点があり、目的来店を作れる。排気・給排水・避難・携帯電波を確保できる。 単一路の避難、浸水、排煙、ダクト延長、厨房の給排水勾配、深夜の共用部動線に問題がある場合。
重飲食居抜き 厨房・ダクト・グリストラップ・ガス等が自店のメニューと能力要件に合い、譲渡対象と所有者が明確。 前店が営業できた事実だけで許認可・設備を引き継げると判断すること。劣化、容量不足、リース残、撤去義務を確認できない場合。
スケルトン 必要な席数、厨房、排気、防音を最初から設計でき、開業前賃料を含む資金余力がある。 ダクト経路、躯体穴あけ、電気・ガス・給排水増強の可否が書面化されず、工事区分も不明な場合。

1階と空中階の考え方は、1階路面と2階以上の店舗物件比較、設備の残る物件と自由設計の違いは居抜き物件とスケルトン物件の比較も併せて確認してください。

居酒屋物件で契約後に変えにくい確認事項

建物・設備

  • 用途、飲食店利用と重飲食の可否、管理規約
  • 厨房排気の経路・排出口位置・臭気対策
  • ガス容量、電気容量・動力、給排水口径と勾配
  • グリストラップ、空調、給気、室外機置場
  • 避難経路、誘導灯、消火設備、内装制限
  • 防音・振動、住宅の窓や隣接店舗との位置関係

運営・契約

  • 営業時間、定休日、深夜営業の制限
  • 看板、置き看板、窓面、照明の使用範囲
  • 搬入時間、ごみ置場、瓶・缶・廃油の排出
  • 造作物の所有者、リース品、修繕負担
  • 工事区分、指定業者、工事可能時間
  • 原状回復範囲、ダクト・厨房撤去の負担

許認可は前店から自動で引き継がれません。世田谷区内で飲食店を始める場合は、事前に世田谷保健所へ営業許可・届出を確認します。営業者変更は承継が認められる場合と、新規許可が必要な場合があるため、契約前に図面と営業内容を持参して相談してください。午前0時以降の酒類提供を主として行う営業は、警視庁が案内する届出の対象となり得ます。用途地域や営業形態で扱いが変わるため、所轄警察署へ個別確認します。

家賃ではなく、通常日の必要客数で物件を比べる

公開募集の平均坪単価は、1階と空中階、駅距離、面積、築年、居抜き・スケルトンの構成で大きく変わります。そのため、本記事では駅別の平均賃料を「相場」として直接比較しません。候補物件ごとに、保証金・礼金・仲介手数料・造作代・設計施工費・設備更新・開業前賃料・運転資金・退去時の原状回復まで並べます。

最低限の採算式
月間必要客数 = 月間損益分岐点売上 ÷ 想定客単価
1日必要客数 = 月間必要客数 ÷ 営業日数
1日の物理的受入上限 = 客席数 × 実現可能な席回転数

例えば「20席あるから40人入る」では足りません。火〜木、金曜、土日で客数・客単価・滞在時間を分け、厨房とスタッフが処理できるかを確認します。三軒茶屋なら通常日の常連比率、下北沢なら来街需要のない日の客数を低めに置き、それでも固定費を支えられるかを見ます。空中階で家賃が下がっても、新規集客費と看板費が増えれば総コストは下がりません。

失敗しやすい6つの選び方

乗降人員を店前通行量に置き換える鉄道会社の数字は改札利用の規模です。出口、乗換、バス、住宅方向へ分散するため、物件前の人流とは一致しません。
三軒茶屋なら自然に常連がつくと考える飲食店全体で403事業所ある商圏です。地域密着は競争が弱いという意味ではなく、再来店理由が必要です。
下北沢の若年層を低価格だけで狙う来街目的は多様です。価格だけでは比較されやすく、料理・酒・空間・利用時間のいずれかに明確な選択理由が必要です。
金土の混雑だけで採算を判断する週末満席でも火〜木が赤字なら月次利益は残りません。曜日別損益とスタッフ配置を作ります。
居抜き設備を使える前提で申し込む能力不足、故障、リース残、ダクト経路、前店の閉店理由を確認しないと、契約後に大きな追加工事が発生します。
深夜営業・排気・騒音を後回しにする営業時間制限、住宅への臭気、退店客の声、ごみ回収は内装で解決できない場合があります。契約前の確認事項です。

三軒茶屋か下北沢かを決める7ステップ

顧客と来店理由を1文にする「近隣単身者が帰宅前に週1回」か「観劇後の2人客が料理テーマで選ぶ」かを決めます。
曜日・時間帯別の売上構成を作る火〜木、金曜、土日を分け、18〜20時、20〜22時、22時以降の客数・客単価を置きます。
同じ商圏半径・年度の基礎データを読む人口、世帯、昼夜人口、飲食店数を確認します。駅利用者数は鉄道会社別・定義別に扱います。
競合を利用動機別に分類する価格、料理、酒、席数、一人利用、グループ利用、営業時間、予約の有無で分け、空白ではなく選ばれる理由を探します。
候補通りを複数曜日に歩く人数だけでなく進行方向、立ち止まり、店内の埋まり方、退出後の流れ、雨天時の変化を記録します。
物件別に投資額と必要客数を算出する賃料だけでなく初期費用、工事、設備更新、開業前賃料、運転資金、原状回復まで含めます。
保健所・警察・消防・貸主へ契約前確認する図面とメニュー、営業時間を示し、許可・届出、排気、避難、防音、看板、工事区分を書面で整理します。

出店を進める条件・見送る条件

申し込みを進められる状態

  • 通常日の保守的な客数でも損益分岐点が見える
  • ターゲットが通る曜日・時間・方向を現地で確認した
  • 同種競合との差が商品・利用場面・価格で説明できる
  • 排気、給排水、容量、避難、防音の施工可否が確認できた
  • 営業許可・深夜営業等の確認先と手順が整理できた
  • 工事増額や開業遅延に耐える運転資金がある

いったん見送る状態

  • 金土の満席だけで家賃を支える計画になっている
  • 乗降人員以外に物件前の客層を説明できない
  • ダクト・防音・ごみ・深夜の条件が口頭回答だけ
  • 居抜き設備の所有・能力・修繕責任が不明
  • 営業時間と管理規約・近隣住宅が両立しない
  • 工事費が上振れすると運転資金が尽きる

よくある質問

三軒茶屋は下北沢より居酒屋に向いていますか?

一律には言えません。住宅リピーターと平日夜の少人数利用を軸にするなら三軒茶屋が比較しやすく、来街目的と店の専門性を結び付けられるなら下北沢が候補です。必要な新規客数と再来店率で判断します。

下北沢は観光客や若者だけを狙えばよいですか?

おすすめしません。来街需要は曜日・イベントで変動します。商圏内には2020年時点で20,714の1人世帯もあります。通常日の地元客と、週末・イベント日の来街客を別の売上柱として設計します。

路地裏なら家賃が安く、利益を出しやすいですか?

募集条件は物件ごとに異なり、安いとは限りません。仮に賃料が下がっても、看板、広告、案内、排気工事、搬入負担が増えることがあります。総投資額と必要客数で比べます。

深夜0時以降も酒を出す予定です。何を確認すべきですか?

営業形態によって警察への届出対象となり得ます。用途地域、客室構造、営業時間、酒類と食事の提供方法などを含め、候補物件の所在地を所轄する警察署へ契約前に確認してください。飲食店営業許可は別に世田谷保健所へ相談します。

最終結論

三軒茶屋を選ぶべきなのは、近隣の単身・少人数世帯と帰宅客を中心に、火〜木の夜を常連で積み上げる店です。カウンター、短時間利用、日常価格、接客による関係づくりが経営モデルと一致し、帰宅導線上で排気・騒音を解決できる物件を選びます。

下北沢を選ぶべきなのは、演劇・音楽・買い物などの来街目的と相性があり、「この店だから行く」という専門性を持つ店です。初回来店を増やすだけでなく、平日やイベントのない日にも地元客が戻る仕組みを作り、回遊導線と入口の発見性を確認します。

どちらも見送るべきなのは、駅の知名度だけで高い固定費を受け入れ、通常日の必要客数、設備、許認可、深夜騒音を確認できていない場合です。居酒屋の立地は「人が多い場所」ではなく、「自店の顧客が入店でき、再来店し、無理なく営業を続けられる物件」で決めます。

三軒茶屋・下北沢の出店候補を物件単位で比較したい方へ

店舗立地研究所では、提携事業者と連携し、出店候補駅の比較、商圏・人流・競合分析、店舗物件探し、内見・契約前の条件整理、開業費用・事業計画の確認まで支援しています。

同じ駅でも、出口、通り、階数、間口、排気経路によって居酒屋の成立条件は変わります。物件を申し込む前の段階からご相談ください。

店舗立地研究所へ相談する

関連記事

参考資料・出典

  1. 「三軒茶屋駅に出店するなら|商圏分析・立地・店舗物件選び」店舗立地研究所、2026年5月2日公開:https://tenpo-ricchi.jp/sangenzyaya-shouken-data/
  2. 「下北沢駅に出店するなら|商圏分析・立地・店舗物件選び」店舗立地研究所、2026年6月9日公開:https://tenpo-ricchi.jp/shimokitazawa-shouken-data/
  3. 「2025年度 駅別乗降人員」東急電鉄、2025年度:https://www.tokyu.co.jp/railway/company/business/passengers/2025/
  4. 「1日平均駅別乗降人員」小田急電鉄、2025年度:https://www.odakyu.jp/company/railroad/users/
  5. 「駅別一日平均乗降人員」京王電鉄、2025年度:https://www.keio.co.jp/company/corporate/corporate_manual/number-of-passengers.html
  6. 「三軒茶屋一丁目地区に関する街づくりの取組み」世田谷区、2026年1月29日更新:https://www.city.setagaya.lg.jp/02202/3972.html
  7. 「下北沢駅周辺の街づくり」世田谷区、2026年2月12日更新:https://www.city.setagaya.lg.jp/02209/4009.html
  8. 「食品関係営業施設の各種申請・届出一覧」世田谷区、2026年2月25日更新:https://www.city.setagaya.lg.jp/02245/3238.html
  9. 「性風俗関連特殊営業、深夜における酒類提供飲食店営業の届出」警視庁、2025年11月10日更新:https://www.keishicho.metro.tokyo.lg.jp/tetsuzuki/fuzoku/todokede.html

データ利用上の注意

  • 本記事は2026年7月20日時点で入手可能な公開情報を使用しています。人口、昼夜人口、事業所、鉄道利用者などは調査年度が異なります。
  • 商圏人口は半径や道路・鉄道による分断で変わります。半径1kmの集計が実際の徒歩商圏と一致するとは限りません。
  • 駅乗降人員は店舗前通行量ではありません。複数社の数値は乗換客を重複して含み得るため、単純合計を実利用者数として扱っていません。
  • 飲食店事業所数は居酒屋だけの件数ではありません。競合は営業中の店舗を現地・地図・予約媒体で再確認してください。
  • 平均募集賃料や公開物件は市場全体を示しません。個別物件の階数、面積、駅距離、設備、契約条件で判断します。
  • 許認可・用途・消防・深夜営業の扱いは、所在地、建物、営業方法で異なります。法律上の適合を本記事だけで断定せず、行政・所轄機関・専門家へ確認してください。
  • 最終的な出店判断には、人流、競合、視認性、導線、階数、間口、排気、防音、ごみ出しを候補物件ごとに現地調査する必要があります。
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この記事を書いた人

太田 満のアバター 太田 満 店舗立地研究所及び合同会社ビジネスデザインラボラトリーズ代表

合同会社ビジネスデザインラボラトリーズ 代表社員
店舗立地研究所 代表

株式会社みずほ銀行にて16年間、数百社の中小企業オーナー・個人事業主の渉外・融資審査・経営相談業務に従事。
2021年独立後は創業支援・店舗出店支援を多数手がける現役コンサルティング会社代表。

専門は店舗事業の商圏(エリア)分析。2,000以上のエリア分析を実施し、「負けない店舗経営」「失敗しないフランチャイズ選び」を支援中。

資格:中小企業診断士・宅地建物取引士・フランチャイズオーガナイザーのほか、賃貸不動産経営管理士・管理業務主任者・不動産証券化マスター・M&Aシニアエキスパートなどの資格も保有。

第19回(2026年4月30日締切)小規模事業者持続化補助金の申請者に対して、KLA(KDDI Location Analyzer)を用いた自社商圏分析サポートを実施。

その他、税理士事務所様などと共催の補助金セミナーなども行っており、店舗立地や補助金などのセミナー依頼も、公式LINEからお気軽にお問い合わせくださいませ。

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