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高田駅徒歩1分「RiFF COFFEE ROASTERY」はなぜ週2〜3日休みでも支持されるのか?自家焙煎×EC豆販売の二毛作モデルを立地から分析

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街の店舗分析|自家焙煎×EC編・住宅地型商圏編

高田駅徒歩1分「RiFF COFFEE ROASTERY」はなぜ週2〜3日休みでも支持されるのか?
自家焙煎×EC豆販売の二毛作モデルを立地から分析

横浜市営地下鉄グリーンライン・高田駅3番出口を出て徒歩1〜2分、バス通りから1本入った場所に構える自家焙煎スペシャルティコーヒー専門店「RiFF COFFEE ROASTERY(リフ コーヒー ロースタリー)」。店内9席というコンパクトな喫茶スタイルでありながら、口コミでは「チェーン店とは大違い」と評される個人店です。営業日は週2〜3日の休みがあり、決して「毎日開いている」店ではありません。それでも高田という「購買流出型」とされる住宅地商圏で支持されているのはなぜか。公開情報と高田駅の商圏データから、店舗立地研究所が独自に分析します。

高田駅徒歩1〜2分
2023年8月オープン
自家焙煎スペシャルティコーヒー
実店舗+EC豆販売の二毛作
公開情報による独自分析
「街の店舗分析」とは

店舗立地研究所が、地域で気になるお店を独自に取り上げ、その店舗ならではの魅力や工夫を深掘りするとともに、商圏特性、店舗立地、顧客層、利用動機などの観点から分析するシリーズです。単なるグルメ紹介や店舗の格付けではなく、実在するお店を通じて、「なぜこの場所で、この業態が支持されるのか」を考えます。

公開情報をもとにした分析では、確認できた事実と店舗立地研究所による考察・提案を区別して掲載します。店舗への取材が実現した場合は、オーナーの声や現地で確認した情報を加えた「リアル店舗レポート」として、さらに詳しくご紹介します。今回は、これまでの日吉・綱島エリアの分析(STABLER HIYOSHI、NINE ROVER等)に続き、同じ港北区でも駅の性格が大きく異なる「グリーンライン・住宅地型商圏」の高田エリアを取り上げます。

先に結論:RiFF COFFEE ROASTERYは、「毎日開ける」ことより「毎日届ける」ことを選んだ店だと考えられます。

週2〜3日の定休日を設けながらも、自家焙煎コーヒー豆とドリップバッグをオンラインで全国発送するEC事業を並行して展開することで、実店舗の営業日数の制約を、商圏を超えた販路で補っている構造がうかがえます。購買力が域外に流出しやすいとされる高田という商圏で、店を「地元向けの喫茶店」だけに終わらせず、「自家焙煎ブランドの直営店」として機能させている点に、この店の独自性があるのではないかと感じます。

RiFF COFFEE ROASTERYはどんなお店?

RiFF COFFEE ROASTERY(リフ コーヒー ロースタリー)は、神奈川県横浜市港北区高田東4-21-6、横浜市営地下鉄グリーンライン・高田駅3番出口から徒歩1〜2分の場所にある、自家焙煎のスペシャルティコーヒー専門店です。公式ECサイトの案内によれば2023年8月1日にオープンし、店内にはテーブル席2名×2とカウンター席3名+2名の合計9席が配置されています。地域メディアの取材記事によれば、駅近ながらバス通りから1本入った立地で、人や車の往来も落ち着いた場所にあるとのことです。

看板商品はハンドドリップのスペシャルティコーヒーで、取材記事の時点では7種類ほどの銘柄から好みの味を相談しながら選べるとされ、マンデリンなどコクや苦味を重視した銘柄も揃っています。マシンドリップのカフェラテやカフェモカはデカフェへの変更も可能で、コーヒーが苦手な人向けに紅茶やジュースも用意されているといいます。フードメニューには自家製バスクチーズケーキ、十五穀パンを使ったホットサンド、自家製ワッフルなどがあり、店内でのイートインに加えて、一部メニューを除きテイクアウトにも対応しています。食べログの口コミでは「自家焙煎をうたっているだけあって雑味がなく香りが良い」といった評価が見られ、個人経営らしい丁寧な接客も評価されているようです。

この店のもう一つの軸が、公式ECサイト(BASE)を通じたコーヒー豆・ドリップバッグの全国発送です。豆のまま・粉に挽いた状態のいずれかを選べ、100g・200g単位で購入可能、送料は全国一律340円(税込)でクリックポストにより発送されるとされています。原則として営業日のみの発送対応で、焙煎やドリップバッグ作成の都合により発送が1〜2営業日遅れる場合もあるとの案内があり、実店舗の営業リズムとEC発送のリズムが一体で運営されていることがうかがえます。

店舗名
RiFF COFFEE ROASTERY(リフ コーヒー ロースタリー)
所在地
神奈川県横浜市港北区高田東4-21-6
アクセス
横浜市営地下鉄グリーンライン・高田駅3番出口から徒歩1〜2分
開業
2023年8月1日オープン
営業時間
10:00〜16:00
定休日
日曜・月曜が基本の定休日(祝日は営業する場合あり)。火〜金は基本営業、土曜は隔週程度で営業。詳細はInstagram・店頭の営業日カレンダーで告知(食べログでは定休日を日曜のみと記載しており差異あり)
座席・設備
店内9席(テーブル席2名×2、カウンター席3名+2名)、全席禁煙、駐車場なし
主な商品
ハンドドリップコーヒー(7銘柄程度)、カフェラテ・カフェモカ(デカフェ可)、紅茶・ジュース、自家製バスクチーズケーキ、ホットサンド、自家製ワッフル
物販・EC
店頭でのコーヒー豆・ドリップバッグ販売に加え、公式ECサイト(BASE)で豆売り・ドリップバッグを全国発送
決済方法
QRコード決済可(食べログ情報ではクレジットカード・電子マネー不可)、地域メディア取材時点ではPayPay可の案内
公式情報
公式Instagram「@riff_coffee_roastery」公式ECサイト(BASE)
店舗立地研究所が「うまい」と感じた3つのポイント
1.実店舗の営業日数の制約を、EC発送で補う構造

週2〜3日の定休日があるという営業リズムは、単独の喫茶店であれば売上機会の損失に見えますが、コーヒー豆とドリップバッグの全国発送という販路を持つことで、実店舗の来店客数に依存しない収益の柱を確保できていると考えられます。

2.「豆売り前提」の商品設計による単価の重層化

店内でのコーヒー1杯だけでなく、気に入った銘柄をその場で豆として購入できる導線は、来店1回あたりの客単価を引き上げる工夫です。ドリップバッグという手土産・贈答需要にも対応できる商品設計になっています。

3.「隠れ家的」立地を逆手に取った口コミ集客

バス通りから1本入った、通りがかりでは見つけにくい立地は、一見デメリットに思えますが、「近所の人に教えてもらって来た」という口コミベースの発見体験を生み、地域メディアの取材記事でも紹介の連鎖が起きています。

立地分析:高田は「住宅地から生活利便商圏への過渡期」にある駅

店舗立地研究所が整理した高田駅半径1km圏のデータでは、夜間人口35,234人、昼間人口19,803人、昼夜比0.56という数値が示されています。さらに来街倍率は約0.42倍と、居住者の購買力が日吉・綱島・センター南といった周辺の賑わい型ターミナルへ流出しやすい「購買流出型」の商圏構造であることが分かります。一方で、生産年齢人口比率62.5%は全国平均を上回り、高齢化率22.4%は全国・神奈川県平均を下回る「若い住宅地」であり、世帯規模別に見ると3〜4人のファミリー世帯が合計32.0%を占めています。高所得世帯比率(年収700万円以上)は28.6%、年収1,000万円以上の世帯も17.4%と、全国平均の約3倍に達する高所得エリアでもあります。

この商圏構造を踏まえると、RiFF COFFEE ROASTERYの立地選択には合理的な裏付けがあるように見えます。購買力が域外に流出しやすい商圏であっても、「毎日の買い物」ではなく「わざわざ足を運ぶ価値のある専門店」という位置づけであれば、来街倍率の低さはむしろ競合の少なさとして働きます。高所得のファミリー層・働き盛り世代が多く住むエリアで、自家焙煎という専門性と、店内で「ゆっくり過ごせる」という体験価値を提供することは、地元の「隠れた良店」として定着しやすい条件を備えていると考えられます。2024年4月に開業した大型商業施設「そよら横浜高田」による地元回帰の動きも、駅前エリア全体の回遊性を高める効果として、この店にとってもプラスに働く可能性があります。

高田駅1km圏の指標 公開値 RiFF COFFEE ROASTERYへの読み替え
来街倍率 約0.42倍(購買流出型) 「わざわざ通う専門店」という位置づけであれば、競合の少なさとして働きやすい構造。
高所得世帯比率 28.6%(年収700万円以上)、年収1,000万円以上17.4% 自家焙煎の専門性やバスクチーズケーキなど、単価の高い商品にも一定の購買力が見込める。
3〜4人世帯比率 合計32.0% 子育てファミリーが休日にゆっくり過ごす「地元の贅沢」需要と相性が良い。
生産年齢人口比率 62.5%(全国57.4%を上回る) 平日の通勤前・休日のテイクアウト需要を担う働き盛り世代が厚い。
飲食店数 66店舗(地域密着型が中心) 綱島・日吉と比べ飲食店数が少なく、専門性の高い店舗が際立ちやすい環境。

※駅別数値は国勢調査、経済センサス等を基礎として店舗立地研究所が整理した半径1km圏の公開値です。統計項目により基準年が異なり、店舗の実際の来店客数や売上を示すものではありません。

さらに広がりそうな3つの顧客層

ここからは、店舗の現在の顧客構成や実施状況を確認したものではなく、公開情報と商圏特性から考えられる今後の可能性です。すでに実施されている取組が含まれる可能性があります。

1.「そよら横浜高田」来店客の回遊需要

2024年4月開業の「そよら横浜高田」により、駅周辺への来街者そのものが増えていると考えられます。大型施設での買い物のあとに、専門店らしい落ち着いたコーヒーを求める回遊需要を取り込める余地がありそうです。

2.子育てファミリーの「自分だけの時間」需要

3〜4人のファミリー世帯が3割を占める商圏特性を踏まえると、子どもを預けた合間や休日の一人時間に、じっくりコーヒーとスイーツを楽しみたいという層の需要が一定数見込めそうです。

3.高所得層への「豆の定期便」需要

年収1,000万円以上の世帯が17.4%を占める商圏特性を踏まえると、EC事業の一環として、好みの銘柄を定期的に届けるサブスクリプション型の販売形態も、リピーター獲得の選択肢として検討できそうです。

もっと認知を広げるなら考えられること
営業日カレンダーの分かりやすい一元化

営業日は火〜金を基本としつつ、月曜・土曜が不定期営業、日曜が定休というやや複雑なパターンで運用されています。食べログでは「定休日:日曜日」のみの記載となっており、Instagramの詳細な営業日カレンダーとの間に情報の粒度の差異が見られます。主要な情報源での表記を統一することで、来店を検討する顧客の迷いを減らせそうです。

「なぜ高田で自家焙煎なのか」というストーリーの発信

購買流出型とされる商圏で、あえて専門性の高い自家焙煎コーヒーという業態を選んだ背景や、EC事業と実店舗をどう位置づけているかといったオーナーの考えを発信することは、地域住民の共感や、遠方からの来店動機の両方につながる可能性があります。

店舗経営の視点:小規模ロースタリーを支える投資も検討余地

原材料費、人件費、賃借コストが上昇するなか、実店舗とEC販売を両立する小規模ロースタリーにとって、設備投資や販路開拓の強化は有効な選択肢です。以下はRiFF COFFEE ROASTERYが現在必要としている、または各制度を利用できると判断したものではありません。同様の自家焙煎・EC併用型の店舗が今後の展開を検討する際の一般的な選択肢です。

焙煎機・梱包設備の投資

焙煎量の拡大やドリップバッグの生産効率化のための機器導入は、日本政策金融公庫等の創業・設備投資融資の要件を確認する価値があります。

EC販路の拡大・情報発信強化

自社ECに加えて他のECモールへの出店や、定期便・サブスクリプション機能の追加開発は、小規模事業者持続化補助金等の検討対象になり得ます。

キャッシュレス対応の拡充

現状クレジットカード不可とされる決済環境の拡充は、来店客の利便性向上に直結する投資として、デジタル化・AI導入補助金等を検討できる場合があります。

補助金は「使えるものを探す」より、必要な投資から逆算する

補助金は、採択や交付決定が約束されるものではなく、申請前に契約・発注・支払いをすると対象外になる制度もあります。まず事業の課題と必要な投資を整理し、その後に対象制度、公募期間、補助対象経費を確認する順番が重要です。2026年7月時点では、小規模事業者の販路開拓等を支援する小規模事業者持続化補助金、ITツールの導入費用の一部を支援するデジタル化・AI導入補助金2026などがあります。募集期間、予算残額、対象経費などは変わるため、必ず申請時点の公式情報を確認する必要があります。

【街の店舗分析まとめ】高田で”域外に流出する購買力”を引き戻す店

RiFF COFFEE ROASTERYの面白さは、香り高い自家焙煎コーヒーとバスクチーズケーキの組み合わせそのものだけではありません。週2〜3日の定休日を設けながら、コーヒー豆・ドリップバッグの全国発送というEC事業を並行させることで、実店舗の営業日数に縛られない収益構造を作っている点に、この店の独自性があります。来街倍率0.42倍という「購買流出型」の商圏で、専門性の高い自家焙煎という業態を選んだことは、むしろ「わざわざ通う理由」を作る合理的な戦略だったのではないでしょうか。高田駅商圏は高所得のファミリー層が厚く、2024年開業の「そよら横浜高田」による地元回帰の動きも進んでいます。この商圏の変化と、この店の二毛作モデルの相性を踏まえると、RiFF COFFEE ROASTERYが高田エリアの「隠れた良店」としてさらに認知を広げていく可能性は十分にあるのではないでしょうか。

地域のお店を、商圏データと一緒に紹介します

店舗立地研究所では、飲食店、物販店、美容サロン、整体・リラクゼーション、パーソナルジムなど、地域で営業する店舗の魅力を、立地・商圏・顧客層の視点から紹介しています。

掲載・取材をご希望の店舗様は、公式LINEまたはお問い合わせフォームからお気軽にご連絡ください。店舗の出店・移転・商圏分析、事業計画、資金調達、補助金活用、集客、省力化のご相談についても対応しております。

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出典・確認資料

執筆・分析:太田 満/編集:店舗立地研究所編集部

本記事は店舗の優劣や経営状態を格付けするものではありません。公開情報と商圏データを用いて、地域店舗の魅力と立地・店舗経営上の可能性を独自に考察したものです。売上、利益、実際の顧客構成等を推定・保証するものではありません。

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営業時間・定休日については、公式EC(BASE)の詳細な営業日カレンダー(火〜金基本営業、月・土は不定期、日曜定休)と、食べログ記載の「定休日:日曜日」のみという簡略表記に差異があったため、記事内で注記の形にしています。正確な最新の営業パターンが分かれば、その部分を差し替えられます。

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この記事を書いた人

太田 満のアバター 太田 満 店舗立地研究所及び合同会社ビジネスデザインラボラトリーズ代表

合同会社ビジネスデザインラボラトリーズ 代表社員
店舗立地研究所 代表

株式会社みずほ銀行にて16年間、数百社の中小企業オーナー・個人事業主の渉外・融資審査・経営相談業務に従事。
2021年独立後は創業支援・店舗出店支援を多数手がける現役コンサルティング会社代表。

専門は店舗事業の商圏(エリア)分析。2,000以上のエリア分析を実施し、「負けない店舗経営」「失敗しないフランチャイズ選び」を支援中。

資格:中小企業診断士・宅地建物取引士・フランチャイズオーガナイザーのほか、賃貸不動産経営管理士・管理業務主任者・不動産証券化マスター・M&Aシニアエキスパートなどの資格も保有。

第19回(2026年4月30日締切)小規模事業者持続化補助金の申請者に対して、KLA(KDDI Location Analyzer)を用いた自社商圏分析サポートを実施。

その他、税理士事務所様などと共催の補助金セミナーなども行っており、店舗立地や補助金などのセミナー依頼も、公式LINEからお気軽にお問い合わせくださいませ。

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