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「日本一ヨーヨーが上手い社労士」が本業の傍らで営む。綱島の異色店「やうやう」、世界大会経験者夫婦が紡ぐパラレルキャリアの実験場

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街の店舗分析|異色業態編

「日本一ヨーヨーが上手い社労士」が本業の傍らで営む。綱島の異色店「やうやう」、世界大会経験者夫婦が紡ぐパラレルキャリアの実験場

東急東横線「綱島駅」から徒歩9分ほどの住宅地に、ヨーヨー専門店とカフェ、そして駄菓子屋を兼ねた不思議なお店がある。その名は「やうやう」。運営しているのは、社会保険労務士として事務所を経営しながら、全日本ヨーヨー選手権の女子フリースタイル部門で3連覇を果たした経歴を持つ飯塚知世さんと、同じく世界大会経験を持つ夫のタカヒロさんご夫婦だ。「士業×ヨーヨー」という前例のないパラレルキャリアの発想から生まれたこの店は、単なる趣味の延長ではなく、地域に根づいた確かなコミュニティ拠点として育っている。今回はこの異色の複合業態を、綱島の商圏データとともに分析する。

綱島駅徒歩9分
2022年11月3日開業
世界大会経験者夫婦が経営
妻は現役社会保険労務士
ヨーヨー×カフェ×駄菓子屋の複合業態
「街の店舗分析」とは

店舗立地研究所が、地域で気になるお店を独自に取り上げ、その店舗ならではの魅力や工夫を深掘りするとともに、商圏特性、店舗立地、顧客層、利用動機などの観点から分析するシリーズです。単なる店舗紹介や格付けではなく、実在するお店を通じて「なぜこの場所で、この業態が支持されるのか」を考えます。

今回取り上げる「やうやう」は、開業から3年ほどが経過した実力店です。当初は店名の響きから和菓子の「羊羹」を扱う店だと誤解されることもあるようですが、実際には競技ヨーヨーの世界大会経験を持つご夫婦が営む、ヨーヨー専門店&カフェ+駄菓子屋という、他に類を見ない複合業態です。その成り立ちと、運営するご夫婦のパラレルキャリアという視点から、この店の魅力を紹介します。

先に結論:「やうやう」は、社労士とヨーヨー日本一という二つの顔を持つ飯塚知世さんと、世界大会経験を持つ夫のタカヒロさんが、それぞれの「好きなこと」を掛け合わせて生み出した店です。単に「趣味を仕事にした」という話ではなく、選手として世界レベルの実力を持つ二人が、その専門性をそのまま店づくりに反映させている点、そして駄菓子屋という日常的な要素を組み合わせることで、子どもから大人まで幅広い世代が集う地域の拠点になっている点に、この店ならではのオリジナリティがあります。

「やうやう」はどんなお店?

やうやうは、神奈川県横浜市港北区綱島西6丁目12-18 コーポオリオン1Fに位置し、東急東横線「綱島駅」から徒歩9分ほどの住宅地にあります。2022年11月3日にグランドオープンし、翌2023年1月には駄菓子コーナーが追加され、現在の「ヨーヨー専門店&カフェ+駄菓子屋」という複合業態が完成しました。営業は基本的に土日祝日、時間は11:00〜19:00で、平日は不定期営業となっており、詳細な営業日は公式サイトのカレンダーで随時案内されています。決済は現金、クレジットカード、QRコード決済、交通系スマホ決済、電子マネーに対応していますが、駄菓子コーナーのみ現金限定という運用になっています。

店内には入門者向けから競技用のハイエンドモデルまで、国内外メーカーのヨーヨーが幅広く取り揃えられており、けん玉やコマ、ディアボロ、ルービックキューブ系のパズルなども扱われています。ヨーヨーを模した丸い看板と、白と藍色を基調にした外観が印象的で、店内にはコーヒースタンドを兼ねたカウンター席も設けられ、ヨーヨー購入が目的でなくても、カフェ利用だけで立ち寄れる開放的な作りになっています。

店舗名
ヨーヨーショップやうやう(駄菓子屋やうやう)
所在地
神奈川県横浜市港北区綱島西6丁目12-18 コーポオリオン1F
アクセス
東急東横線「綱島駅」から徒歩約9分
開業日
2022年11月3日(駄菓子コーナーは2023年1月追加)
業態
ヨーヨー専門店&カフェ+駄菓子屋の複合業態
営業時間
11:00〜19:00
営業日
土日祝日(平日は不定期営業、公式サイトのカレンダーで確認可)
決済方法
現金、クレジットカード、QRコード決済、交通系スマホ決済、電子マネー(駄菓子コーナーは現金のみ)
運営体制
飯塚知世さん・イイヅカタカヒロさん夫婦(ともに競技ヨーヨー世界大会経験者)
公式情報
公式サイトInstagram

「羊羹屋」ではありません:「やうやう」という店名は、ひらがなの響きから和菓子の「羊羹」を扱う店だと誤解されることがありますが、実際には和菓子とは無関係の、ヨーヨー専門店&カフェ+駄菓子屋です。公式サイトによれば「やうやう(段々と)広がるヨーヨーの輪を、ぜひ一緒に楽しみましょう」という思いを込めた店名とのことで、ヨーヨーを通じて人と人がつながっていく様子を表しているそうです。

オリジナリティ①:「社労士」と「ヨーヨー日本一」、二つの顔を持つプロデューサー

この店の最大の個性は、プロデューサーである飯塚知世さんの経歴そのものにあります。飯塚さんは横浜市港北区で「スピカ社会保険労務士事務所」を経営する現役の社会保険労務士であると同時に、「ヨーヨー社労士®」という名称を商標登録したヨーヨーパフォーマーでもあります。ヨーヨーとの出会いは、父の仕事の関係で暮らしたスイスからの帰国前、家族旅行で訪れたイタリア・ヴェネツィアのサンマルコ広場だったといい、そこで買ってもらったヨーヨーに惹かれたのが人生の転機になったと語っています。帰国後に始まった「ハイパーヨーヨーブーム」の波に乗り、雑誌掲載の技をわずか1年で身につけて全国大会を制覇、大学時代には映画『スケバン刑事 コードネーム=麻宮サキ』で主演の松浦亜弥さんにヨーヨー指導とスタントを行うなど、10代・20代からすでに競技者として本格的な活動をしていた人物です。

「(音楽配信企業を退職する際)当時の私はあまりにも労働基準法を知らな過ぎて、会社から提示されている内容が自分にとって損なのか得なのかもわからず、反論もできず、言われるがまま。次に働くときにはきちんと法律の知識を身につけなければいけないと痛感しました。」

――TAC株式会社「TACNEWS WEB」インタビューより

この新卒退職時の悔しい経験が、社労士資格を目指すきっかけの一つになったといいます。2014年に社労士試験に合格し、第一子出産からわずか3ヵ月後の2017年に副業開業という形でスピカ社会保険労務士事務所を立ち上げ、2020年に事務所を港北区へ移転、その2年後の2022年11月に「やうやう」をオープンしています。エンターテインメント業界の現場とバックオフィスの両方を経験した実務家としての顔と、世界大会に挑んできた競技者としての顔を併せ持つ点は、他の店舗経営者にはまず見られない特異な経歴であり、この店の看板そのものになっています。

オリジナリティ②:夫婦そろって世界レベル。ヨーヨーで結ばれたパートナーシップ

この店のもう一つの特徴は、店を営むご夫婦がそれぞれ世界大会の経験を持つ競技者同士である点です。飯塚知世さんは全日本ヨーヨー選手権の女子フリースタイル部門で2020年から2022年まで3連覇を果たし、2019年と2023年は準優勝、2024年は3位入賞という実績を持ち、2023年の世界大会(World Yo-Yo Contest)では8位に入っています。一方、夫のタカヒロさんも1A部門で世界6位まで進んだ経験を持つ選手で、二人は2015年に結婚しています。

「結婚相手もヨーヨープレイヤー。ヨーヨーを通して伴侶まで得られた。これから立ち上げるヨーヨー専門店は、『人と人とを結びつける憩いの場としたい』と語る。」

――デイリー新潮「ヨーヨーブーム再来 日本選手権3連覇中の『美人プレイヤー』は社会保険労務士で2児の母 スケバン刑事でも指南」より

単に「夫婦で店を営んでいる」というだけでなく、双方が同じ競技の頂点に近い実力者であることは、来店客にとって非常に説得力のある強みになっています。実際、店には初心者向けモデルから競技用のハイエンドモデルまで幅広く取り揃えられ、遊び方のレクチャーも行われており、選び方に迷った際に世界レベルの選手から直接アドバイスを受けられるという、他のヨーヨー専門店にはなかなかない体験価値を提供しています。

「専門性」×「専門性」の掛け算による店づくり。社労士としての事業経営スキルと、世界大会経験者としての競技知識を、夫婦それぞれが持ち寄って一つの店を成立させている点は、パラレルキャリアという生き方そのものを体現した、非常にユニークな経営モデルだと言えます。

オリジナリティ③:駄菓子屋の独自通貨「YAU」と、地域に根づくコミュニティ機能

やうやうには、ヨーヨー専門店としての側面に加えて、2023年1月から始まった駄菓子屋コーナーがあります。ここでは店独自の通貨「YAU」を使った、ちょっとした運試しの仕掛けが用意されており、100円で三角くじを引くと、外れなしで最低100YAU、当たりが出ると150YAU分の駄菓子やおもちゃに交換できる金額が手に入るという仕組みになっています。単に駄菓子を販売するだけでなく、購買体験そのものを一つの小さなイベントに変えているこの仕掛けは、子どもたちのリピート来店を後押ししていると考えられます。

さらに、店内ではヨーヨーやけん玉を好きな色に染め上げる「マーブリング体験」や、一般社団法人グローバルけん玉ネットワークが認定する「けん玉検定」も実施されており、単なる物販店ではなく体験・学びの場としても機能しています。地域との関わりも深く、「つなしまサマーフェスティバル」への出店、綱島東小学校の50周年記念式典への参加、港北区の子育て支援拠点での体験会開催など、地域の教育・子育てコミュニティとの結びつきも強い店です。テレビ朝日「じゅん散歩」、テレビ神奈川「あっぱれ!KANAGAWA大行進」、テレビ東京「モヤモヤさまぁ〜ず2」(2025年6月21日放送)といった番組でも取り上げられ、綱島の地域名物として認知度を広げています。

綱島は「昼間流出型・居住者中心型」商圏。子育てファミリー層に刺さる体験型業態

店舗立地研究所が整理した綱島駅半径1km圏のデータでは、夜間人口49,282人に対し昼間人口30,077人、昼夜比0.61という「典型的な昼間流出型の住宅地商圏」であることが示されています。東急東横線・東急新横浜線が交差し、2023年3月の新綱島駅開業以降は新横浜・渋谷・都心方面への直通アクセスが飛躍的に向上した一方、来街倍率(商業人口÷夜間人口)は約1.16倍にとどまり、横浜駅(約9.85倍)のような広域集客型ターミナルとは性格が大きく異なる「地域密着型商圏」です。総世帯数25,872世帯のうち1人世帯が45.2%を占めつつ、35〜49歳の働き盛りファミリー層が際立って厚く、高所得世帯比率(年収700万円以上)は31.4%と全国平均の約1.6倍という、購買力のある子育てファミリー層が多く暮らすエリアであることも特徴です。

このような「ファミリー層の厚みがあり、地元での日常消費が中心となる」商圏においては、単なる物販ではなく、体験・学び・交流の要素を含む業態が強い支持を得やすいと考えられます。やうやうが提供するヨーヨー体験、マーブリング体験、駄菓子屋の遊び心のある仕掛けは、まさにこうした子育てファミリー層のニーズに合致しており、テレビ露出や地域イベントへの参加を通じた口コミの広がりも、この商圏特性と噛み合っていると言えるでしょう。

綱島駅1km圏の指標 公開値 「やうやう」への読み替え
昼夜人口比 0.61(昼間流出型・住宅地商圏) 休日・夕方以降の地元消費が中心となる構造で、土日祝日中心の営業スタイルと相性が良い設計です。
35〜49歳人口 3世代合計約13,000人超 働き盛りの子育てファミリー層が厚く、親子で楽しめる体験型業態の受け皿として機能しやすい構造です。
高所得世帯比率 31.4%(年収700万円以上) 体験メニューやマーブリング等の付加価値サービスへの支出余力がある層が一定数存在します。
来街倍率 約1.16倍(地域密着型) 広域集客に頼らず、地域内の口コミ・イベント参加による認知拡大が有効な商圏です。
飲食店数 209店舗 飲食業態としての競合は多い一方、ヨーヨー専門店という業態自体に競合がなく差別化が明確です。

※綱島駅の商圏データは、国勢調査・経済センサス等を基礎として店舗立地研究所が整理した半径1km圏の公開値です。統計項目により基準年が異なり、店舗の実際の来店客数や売上を示すものではありません。

店舗立地研究所が「気になる」と感じた3つのポイント
1.資格と競技、二つの専門性の融合

社労士としての事業経営力と、世界大会経験者としての競技知識を一人が兼ね備えているという点は、他の追随を許さない独自のブランド力になっています。

2.夫婦それぞれが本物の実力者

どちらか一方が支える側に回るのではなく、双方が世界大会レベルの選手であることが、店としての説得力と専門性を二重に高めています。

3.遊びと学びを両立させる仕掛け

YAU通貨によるくじ引き、マーブリング体験、けん玉検定といった仕組みは、単なる物販に留まらず、来店そのものを楽しい体験に変える工夫として参考になります。

【街の店舗分析まとめ】

「やうやう」は、社会保険労務士とヨーヨー日本一という二つの顔を持つ飯塚知世さんと、同じく世界大会経験を持つ夫のタカヒロさんが、それぞれの専門性を持ち寄って作り上げた、綱島でも稀有な複合業態の店です。その強さの源泉は、話題性のある店名や珍しい業態の組み合わせだけではなく、夫婦それぞれが競技者として本物の実力を持ち、その専門知識をそのまま店づくりや接客に反映させている点にあります。子育てファミリー層が厚く、地域内での口コミが力を持つ綱島という商圏においても、体験・学び・交流を軸にしたこの店のあり方は、地域に根づいた確かな支持を集める要因になっていると考えられます。

この記事は公開情報を基にした分析であり、飯塚さんご夫婦から直接お話を伺えたわけではありません。やうやうという店名に込めた思いの詳細や、駄菓子屋を追加するに至った経緯、夫婦での店舗運営における役割分担など、公開情報だけでは分からないことが数多くあるはずです。もし取材の機会をいただけましたら、開業の経緯やお店づくりの背景について直接お伺いし、改めて記事としてお届けできればと思っております。

地域のお店を、商圏データと一緒に紹介します

店舗立地研究所では、飲食店、美容サロン、整体・リラクゼーション、パーソナルジム、専門小売店など、地域で営業する店舗の魅力を、立地・商圏・顧客層の視点から紹介しています。

掲載・取材をご希望の店舗様は、公式LINEまたはお問い合わせフォームからお気軽にご連絡ください。店舗の出店・移転・商圏分析、事業計画、資金調達、補助金活用、集客、省力化のご相談についても対応しております。

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出典・確認資料

執筆・分析:太田 満/編集:店舗立地研究所編集部

本記事は店舗の優劣や経営状態を格付けするものではありません。公開情報を用いて、地域店舗の魅力と立地・店舗経営上の可能性を独自に考察したものです。売上、利益、実際の顧客構成等を推定・保証するものではありません。営業日は不定期営業のため、ご来店前に必ず公式サイトの最新情報をご確認ください。

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この記事を書いた人

太田 満のアバター 太田 満 店舗立地研究所及び合同会社ビジネスデザインラボラトリーズ代表

合同会社ビジネスデザインラボラトリーズ 代表社員
店舗立地研究所 代表

株式会社みずほ銀行にて16年間、数百社の中小企業オーナー・個人事業主の渉外・融資審査・経営相談業務に従事。
2021年独立後は創業支援・店舗出店支援を多数手がける現役コンサルティング会社代表。

専門は店舗事業の商圏(エリア)分析。2,000以上のエリア分析を実施し、「負けない店舗経営」「失敗しないフランチャイズ選び」を支援中。

資格:中小企業診断士・宅地建物取引士・フランチャイズオーガナイザーのほか、賃貸不動産経営管理士・管理業務主任者・不動産証券化マスター・M&Aシニアエキスパートなどの資格も保有。

第19回(2026年4月30日締切)小規模事業者持続化補助金の申請者に対して、KLA(KDDI Location Analyzer)を用いた自社商圏分析サポートを実施。

その他、税理士事務所様などと共催の補助金セミナーなども行っており、店舗立地や補助金などのセミナー依頼も、公式LINEからお気軽にお問い合わせくださいませ。

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