妙蓮寺の”旅する食べ飲み屋”が新横浜に。
クラフトビール8TAP「& SIBLINGS」を立地から分析
神奈川県横浜市港北区篠原町、新横浜駅から徒歩5〜7分。2026年3月1日にグランドオープンした「& SIBLINGS(アンド シブリングス)」は、東急東横線・妙蓮寺駅前で人気を集める「SIBLINGS by Toyama sisters」の姉妹店です。国内クラフトビール常時8TAPと自家製スイーツを軸に、リノベーション物件「新横浜食料品センター」の1階に出店したこの店を、新横浜の商圏データとともに店舗立地研究所が独自に分析します。
2026年3月1日開業
妙蓮寺「SIBLINGS」姉妹店
国内クラフトビール常時8TAP
公開情報による独自分析
店舗立地研究所が、地域で気になるお店を独自に取り上げ、その店舗ならではの魅力や工夫を深掘りするとともに、商圏特性、店舗立地、顧客層、利用動機などの観点から分析するシリーズです。単なるグルメ紹介や店舗の格付けではなく、実在するお店を通じて、「なぜこの場所で、この業態が支持されるのか」を考えます。
公開情報をもとにした分析では、確認できた事実と店舗立地研究所による考察・提案を区別して掲載します。店舗への取材が実現した場合は、オーナーの声や現地で確認した情報を加えた「リアル店舗レポート」として、さらに詳しくご紹介します。
先に結論:「& SIBLINGS」は、妙蓮寺で確立された”世界観”を、業態を絞り込んだ形で新横浜という異なる商圏に輸出した、姉妹店展開の好例です。本店「SIBLINGS」が家庭料理とビールを軸にした「旅する食べ飲み屋」として地域コミュニティの拠点になっているのに対し、新横浜店はクラフトビールとスイーツ・おつまみに絞った身軽な業態で展開し、リノベーション物件「新横浜食料品センター」というまだ実績のない場所に、確立されたブランドの信頼感を持ち込むという役割を担っています。
& SIBLINGS(アンド シブリングス)は、神奈川県横浜市港北区篠原町2803-3「新横浜食料品センター」1階にあるビアバーです。公式noteによれば、新横浜駅2番出口から坂を登って徒歩7分(食べログの表記では新横浜駅から355m)の場所にあり、2026年3月1日(日)にグランドオープンしました。運営するのは、東急東横線・妙蓮寺駅前の池ノ畔商店街にある人気店「SIBLINGS by Toyama sisters」を営む東山姉妹(姉・玲奈さん、妹・生来さん)で、この新横浜店はその姉妹店という位置づけになります。
店舗の特徴は、国内クラフトビールを常時8タップで揃え、缶クラフトビールやクラフトドリンクも豊富に取り扱っている点です。加えて自家製スイーツ(自家製チーズケーキなど)と、お酒が進むおつまみを提供しており、食事をしっかり取る本店とは異なり、「軽く一杯」というカジュアルな利用に振り切った業態設計になっています。店内は自由席・キャッシュオンスタイルで、缶ビールは抜栓料込みの価格設定のため、店内で気軽に開けて楽しめるほか、持ち帰り時には1本につき200円引きになるという仕組みも用意されています。食べログの情報では、ジャンルはビアバー、予算は1,000〜1,999円、個室・駐車場はなくカウンター席のみ、支払いはカード・電子マネー・QRコード決済に対応しています。
営業日・営業時間については、公式Instagramで月ごとにスケジュールが告知される可変制であることが確認できました。本店SIBLINGSも同様に、Instagramで毎月の営業カレンダーを公開する運用を取っており、姉妹店同士でイベント開催日を調整する(例:本店のイベント開催日に新横浜店を休業にするなど)といった連携も投稿から確認できます。このため、来店を検討する場合は必ず公式Instagram(@and_siblings)で最新の営業日を確認する必要がある点は、押さえておきたいポイントです。
「皆様、初めまして『&SIBLINGS(アンドシブリングス)』と申します。横浜のターミナル駅、新横浜駅の2番出口から徒歩7分。少し坂を登ったところにある「新横浜食料品センター」内1階に3/1(日)オープンしました。こだわりの国内クラフトビール8TAPと、缶クラフトビール、クラフトドリンク。自家製スイーツと、飲み物が進むおつまみをお出しするお店です。」
――公式note「どうも&SIBLINGSです。」(note.com/and_siblings)より
- 店舗名
- & SIBLINGS(アンド シブリングス)
- 所在地
- 神奈川県横浜市港北区篠原町2803-3 新横浜食料品センター1F(新横浜駅2番出口から徒歩7分/食べログ表記では新横浜駅から355m)
- 開業
- 2026年3月1日(グランドオープン)
- 営業日・時間
- 不定期・公式Instagramで月単位に告知(本店の営業日と連動する場合あり)※要確認
- 業態
- ビアバー(国内クラフトビール常時8TAP、缶クラフトビール、クラフトドリンク、自家製スイーツ、おつまみ)
- 席・設備
- カウンター席(自由席・キャッシュオンスタイル)、個室無、駐車場無
- 本店
- SIBLINGS by Toyama sisters(横浜市港北区菊名1-7-12 池ノ畔商店街、妙蓮寺駅から徒歩2分、2023年12月開業)
- 運営
- 東山姉妹(姉・玲奈さん、妹・生来さん)
- 公式Instagram
- @and_siblings
- 公式note
- note.com/and_siblings
- 食べログ
- tabelog.com/kanagawa/A1401/A140206/14102060
本店SIBLINGSが家庭料理とクラフトビールを軸にした「旅する食べ飲み屋」であるのに対し、新横浜店はクラフトビールとスイーツ・おつまみに絞った軽量級の業態にしています。ブランドの世界観や店名は継承しつつ、運営負荷の大きい調理メニューを絞ることで、家族経営という限られた人員でも2店舗を回せる設計になっている点は、無理のない多店舗展開のお手本と言えます。
新横浜食料品センターは2025年に一部完成した新しいリノベーション施設で、まだ地域での実績が浅い物件です。そこに妙蓮寺で既に支持を得ている「SIBLINGS」ブランドの姉妹店が入ることで、施設自体の認知や信頼を後押しする効果が期待できます。施設側・出店側の双方にメリットがある組み合わせだと考えられます。
缶クラフトビールは抜栓料込みの価格で店内飲用できるほか、持ち帰り時には1本200円引きになる仕組みが用意されています。ビアバーとしての滞在需要と、近隣住民の「家飲み」需要の両方を1つの冷蔵庫でカバーできる設計は、住宅地に近い立地だからこそ機能する工夫だと考えられます。
店舗立地研究所が整理した新横浜駅半径1km圏のデータでは、夜間人口30,168人に対し昼間人口は70,679人、昼夜比2.34という、新幹線停車駅としてのビジネス集積効果が極めて大きい商圏特性が確認できます。ただし、この昼夜比の高さは新横浜駅南側・東側に集積するオフィスビルやホテル、日産スタジアム等の広域集客施設の影響を強く反映したものであり、実際に住民が生活する篠原口側(新横浜食料品センターが位置する側)の実態は、夜間人口・総世帯数(17,223世帯)といった居住ベースの指標でより正確に把握できます。
世帯構成を見ると、1人世帯が55.0%(9,477世帯)と過半数を占め、通勤利便性を求める単身就業者の賃貸需要の高さがうかがえます。一方で高所得世帯比率(年収700万円以上)は31.9%と全国平均(約20.9%)の約1.5倍に達し、年収1,000万円以上の世帯も15.3%を占めています。この「単身就業者が多いが、購買力も相応に高い」という組み合わせは、1,000〜1,999円という低めの予算帯で、仕事帰りにひとりでも気軽に立ち寄れるビアバーという業態と相性が良いと考えられます。また、新横浜駅の篠原口側は、新幹線開業以前から人が住んでいた高台の住宅エリアであり、駅北口側の大型チェーン店中心の商業集積とは異なる、個人店・小規模店が徐々に集まりつつある地域です。実際、2022年には郵便局をリノベーションした複合文化拠点「ARUNŌ」が誕生し、2025年には新横浜食料品センターが一部完成、さらに近隣には小商い可能な住戸「森庭山荘」も誕生しており、篠原口エリア全体が個人店の集積地として動き始めているタイミングだと言えます。2027年には相鉄・東急新横浜線の開業効果がさらに定着するとされ、今後は綱島・日吉・菊名方面からの人の流れが増える可能性もあり、篠原口エリアの回遊性が高まる余地も見込まれます。
| 新横浜駅1km圏の指標 | 公開値 | & SIBLINGSへの読み替え |
|---|---|---|
| 昼夜比 | 2.34(ビジネス集積の影響が大きい複合型) | 駅周辺就業者の「仕事帰りの一杯」需要が見込める一方、篠原口側は居住実態ベースで読む必要がある。 |
| 単身世帯比率 | 55.0%(1人世帯) | ひとりでも入りやすいカウンター・キャッシュオンスタイルとの相性が良い。 |
| 高所得世帯比率 | 31.9%(年収700万円以上) | 1,000〜1,999円という予算帯は、購買力に対して手を出しやすい価格帯として機能しやすい。 |
| 篠原口エリアの動向 | ARUNŌ(2022年)、新横浜食料品センター(2025年)、森庭山荘など個人店集積が進行中 | まだ回遊ルートが確立していない中で、既存ブランドの姉妹店が「行く理由」の一つになり得る。 |
| 広域交通 | 2027年に相鉄・東急新横浜線の開業効果が定着予定 | 綱島・日吉・菊名方面からの流入増加により、姉妹店同士の回遊(妙蓮寺⇄新横浜)が生まれる可能性。 |
※駅別数値は国勢調査、経済センサス等を基礎として店舗立地研究所が整理した半径1km圏の公開値です。統計項目により基準年が異なり、店舗の実際の来店客数や売上を示すものではありません。
店舗立地研究所では以前、大倉山駅近くの南インド料理店「マサラモア」を取り上げました。マサラモアは、常時週6日営業と横浜野菜を使った地道な運営を積み重ねることで、1つの立地に対する信頼を長期的に蓄積していく「単独店舗・地域密着蓄積型」の戦略を取っています。一方、& SIBLINGSは、すでに妙蓮寺で信頼を確立した本店の世界観を、業態を絞った形で新しい商圏に持ち込む「姉妹店展開型」の戦略です。どちらも「一つの立地で一つの店を丁寧に育てる」という発想ではなく、既存の資産(ブランド・仕入れルート・運営ノウハウ)を活かして展開する点で共通していますが、マサラモアが「深さ」を武器にするのに対し、& SIBLINGSは「輸出しやすい業態への絞り込み」を武器にしている点で、方向性が異なります。同じ港北区内でも、立地や商圏特性に応じて異なる勝ち筋が選ばれていることが分かる好例です。
ここからは、店舗の現在の顧客構成や実施状況を確認したものではなく、公開情報と商圏特性から考えられる今後の可能性です。すでに実施されている取組が含まれる可能性があります。
昼夜比2.34という数値が示すとおり、新横浜駅周辺には日中多くの就業者が集まります。SNS上でも「うちの社員たちの帰宅途中」という投稿が見られており、駅から少し歩く立地であっても、帰路の途中に立ち寄れる一杯としての需要は一定数見込めそうです。
ARUNŌや新横浜食料品センター、森庭山荘など、篠原口エリアには個人店・小規模店の集積が進んでいます。これらの施設を巡る「篠原口さんぽ」のような回遊ルートの中に& SIBLINGSを組み込んで案内することで、単独の来店動機だけでなく、エリア全体の魅力とセットで訴求できる可能性があります。
本店SIBLINGSはブルワリー見学バスツアーなど、ガイド経験を活かしたイベントを定期的に開催しています。こうしたイベントの参加者に新横浜店の来店を案内する、あるいは両店をめぐるスタンプラリー的な企画を行うなど、2店舗を持つからこそできる回遊施策には広がりの余地があります。
公式noteや投稿では、「妙蓮寺の本店を知らなかった方はぜひ本店にも」といった呼びかけが行われています。この双方向の紹介を、単なる告知ではなく「新横浜店で気に入ったら妙蓮寺の本店で”母の味”の家庭料理も楽しめる」という具体的な体験の広がりとして伝えることで、1店舗だけでは生まれない周遊価値を訴求できる可能性があります。
営業日・営業時間が月ごとに変わる運用は、来店の予測しづらさというデメリットがある一方、毎月更新されるスケジュール自体を「今月はどんなイベントがあるか」という楽しみに変換できる余地もあります。english Nightのような単発企画を含む月次カレンダーの発信を、単なる営業案内以上の「読み物」として発信することが、フォロワーとの継続的な接点作りにつながると考えられます。
本店と姉妹店という2拠点を家族経営で運営する業態は、単独店舗とは異なる経営上の特性を持ちます。以下は& SIBLINGSが現在必要としている、または各制度を利用できると判断したものではありません。同様の業態を営む店主にとっての一般的な選択肢です。
本店・姉妹店の2拠点を家族中心の少人数で運営する場合、出産や体調不良など不測の事態が発生した際に、片方の店舗の営業を縮小・休業せざるを得ない状況が生まれやすくなります。あらかじめ縮小営業のパターンや代替スタッフの確保方法を検討しておくことは、事業継続の観点で重要な備えになります。
自由席・キャッシュオンという運営方式は、少人数でも回せる効率的な仕組みですが、缶ビールの在庫管理や会計の煩雑さが増えやすい側面もあります。POSレジやセルフ決済端末の導入は、限られた人員での運営効率を高める選択肢の一つです。
新横浜食料品センターのように、施設全体が段階的に改修・入居募集を続けている物件では、将来的な周辺区画の入居状況や賃料条件が変わる可能性があります。長期的な事業計画を立てる際は、契約更新時の条件や施設全体の運営方針について、事前に確認しておくことが望ましいと考えられます。
補助金は、採択や交付決定が約束されるものではなく、申請前に契約・発注・支払いをすると対象外になる制度もあります。まず事業の課題と必要な投資を整理し、その後に対象制度、公募期間、補助対象経費を確認する順番が重要です。2026年8月時点では、小規模事業者の販路開拓等を支援する小規模事業者持続化補助金、複数店舗展開に伴う設備投資を支援する各種制度などがあります。募集期間、予算残額、対象経費などは変わるため、必ず申請時点の公式情報を確認する必要があります。
& SIBLINGSの面白さは、妙蓮寺の本店で確立された「旅する食べ飲み屋」というブランドの世界観を、丸ごと移植するのではなく、クラフトビールとスイーツ・おつまみという業態に絞り込んで新横浜に運んだ点にあります。まだ実績の浅いリノベーション物件「新横浜食料品センター」に、既に信頼を得ているブランドの姉妹店が入ることは、施設・出店側の双方にとって合理的な組み合わせです。新横浜駅周辺の高い購買力と単身就業者の多さという商圏特性、そして篠原口エリアで進む個人店集積という地域の動きが重なり合うことで、この姉妹店戦略が機能する土壌が整っていると考えられます。同じ港北区内で「単独店舗・地域密着蓄積型」を取る大倉山のマサラモアとの比較から見えてくるのは、既存の資産をどう活かすかという観点でも、複数の勝ち筋が成立し得るということです。
店舗立地研究所では、飲食店、物販店、美容サロン、整体・リラクゼーション、パーソナルジムなど、地域で営業する店舗の魅力を、立地・商圏・顧客層の視点から紹介しています。
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- & SIBLINGS公式note「どうも&SIBLINGSです。」(開業日、所在地、アクセス、コンセプト、姉妹店であることの記載)
- & SIBLINGS公式Instagram(@and_siblings)(月次営業スケジュール、イベント告知、メニュー情報)
- SIBLINGS本店公式Instagram(@1080sisters)(本店の営業カレンダー、姉妹店との連携、家族経営の状況)
- 食べログ「& SIBLINGS」店舗情報(開業日、ジャンル、予算、席・設備、支払い方法)
- 食べログ「SIBLINGS」(妙蓮寺)店舗情報(本店の営業時間、定休日、電話番号等)
- beergirl.net「【妙蓮寺】ビール愛溢れる元バスガイド姉妹と母が営む”旅する食べ飲み屋”『SIBLINGS by Toyama sisters』」(東山姉妹の経歴、開業の経緯、店名の由来、本店のメニュー・ビールの背景)
- yokohama-jan.com「【新横浜】クラフトビールと自家製スイーツで映える『&SIBLINGS』」(新横浜店の業態紹介、8タップの特徴、缶ビール割引の仕組み、イベント情報)
- 新横浜食料品センター公式サイト(施設のコンセプト、所在地、アクセス)
- 健美家「新横浜駅篠原口に変化の動き。個性的な物件続々」(篠原口エリアの歴史的背景、新横浜食料品センターの建物経緯、ARUNŌ・森庭山荘などの周辺開発動向)
- 店舗立地研究所「新横浜駅商圏データ完全公開」(新横浜駅1km圏の人口・世帯・所得データ)


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