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関内駅徒歩4分、古民家の複合施設に着地した「行商」コーヒースタンド。キッチンカーを閉じた「HACHIDORI COFFEE」の業態モデルを立地から分析

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街の店舗分析|キッチンカー出身編・行商×定点編

関内駅徒歩4分、古民家の複合施設に着地した「行商」コーヒースタンド。キッチンカーを閉じた「HACHIDORI COFFEE」の業態モデルを立地から分析

神奈川県横浜市中区相生町。JR関内駅から徒歩4分、みなとみらい線日本大通り駅・馬車道駅からもそれぞれ徒歩5〜6分という好立地に、築70年ほどの古民家をリノベーションした小さな複合施設「chechembo(チェチェンボ)」があります。2025年5月5日に開業したこの建物の1階でコーヒースタンドを構えるのが、「ハチドリのひとしずく」の物語をコンセプトに掲げるオーガニックコーヒースタンド「HACHIDORI COFFEE(ハチドリコーヒー)」です。2019年、4人の女性グループがキッチンカーとして活動を始め、日本大通り”食のEARTH fes”で関内活性会賞を受賞したこの店は、2026年6月7日をもってキッチンカー営業を終了しました。しかし公式SNSの肩書きは今も「横浜コーヒースタンドと行商」。車両を手放しながらも「行商」という言葉は手放さないこの業態モデルを、店舗立地研究所が関内駅の商圏データとともに分析します。

関内駅・徒歩4分
2019年キッチンカーとして始動
2025年5月 chechembo1Fに定点
2026年6月 キッチンカー閉業
現在も「行商」を継続
「街の店舗分析」とは

店舗立地研究所が、地域で気になるお店を独自に取り上げ、その店舗ならではの魅力や工夫を深掘りするとともに、商圏特性、店舗立地、顧客層、利用動機などの観点から分析するシリーズです。単なる店舗紹介や格付けではなく、実在するお店を通じて、「なぜこの場所で、この業態が支持されるのか」を考えます。

公開情報をもとにした分析では、確認できた事実と店舗立地研究所による考察・提案を区別して掲載します。店舗への取材が実現した場合は、オーナーの声や現地で確認した情報を加えた「リアル店舗レポート」として、さらに詳しくご紹介します。今回は、これまでの「キッチンカーから固定店舗へ完全移行」型(PIZZERIA Sassy、Ti leaf)、「固定店舗とキッチンカーの二刀流継続」型(andRE)に続き、「キッチンカーという車両だけを手放し、行商という思想は残す」という、また別の第三のパターンとして取り上げます。

先に結論:「HACHIDORI COFFEE」の面白さは、キッチンカーという車両そのものを2026年6月に手放しながらも、「行商」という言葉と思想は決して手放さなかった点にあります。2019年、4人の女性グループが「ハチドリのひとしずく」という環境寓話をコンセプトに始めたこの店は、日本大通りのSDGsイベントで関内活性会賞を受賞するなど、地域に根を張りながらイベント出店・ケータリングを重ねてきました。そして2025年5月、同じ相生町の古民家をリノベーションした複合施設「chechembo」に定点コーヒースタンドを構えたのち、2026年6月にキッチンカー営業を終了。現在は「chechemboという定点」と「行商というイベント出店・ケータリング」という、動くことをやめない二本柱の業態で営業を続けています。同じ古民家という建物が「さくらハウス」から「chechembo」へと姿を変えていった軌跡も含め、この店の業態モデルを見ていきます。

HACHIDORI COFFEEはどんなお店?

HACHIDORI COFFEE(ハチドリコーヒー)は、神奈川県横浜市中区相生町2-52「chechembo(チェチェンボ)」1階に店を構えるコーヒースタンドです。JR関内駅から徒歩4分、みなとみらい線日本大通り駅から徒歩6分、同じくみなとみらい線馬車道駅からも徒歩5分ほどという、関内・馬車道・日本大通りという3つの駅のちょうど中間に位置する立地です。公式Instagramのプロフィールには「バリスタが行商人スタイルで🐪 人と地球に美味しい1杯を!!」という一文が掲げられており、店の肩書きも「横浜コーヒースタンドと行商」となっています。固定の場所を持つ「コーヒースタンド」と、場所を持たず出向いていく「行商」という、本来は対立しそうな二つの言葉が、この店ではひとつの肩書きとして並んでいる点が最初の面白さです。

公開情報をたどると、HACHIDORI COFFEEの出発点は2019年に見出せます。ロゴデザインの制作過程を記録したブログ「Penguin Architect/Portfolio」(2019年5月10日公開)によれば、店主は「ハチドリのひとしずく」という物語をコンセプトに掲げ、フードトラックによる移動販売の構想を練っていました。この物語は、森が燃える中、他の動物たちが逃げ出す一方でハチドリだけが一滴ずつ水を運び続けるという寓話で、「自分たちの環境や自然に対して、できることを考え続ける」という店の理念の核になっています。同年11月23日・24日には、日本大通りで開催されたSDGsテーマのイベント「みなとまち 食のEARTH Fes」に出店し、「関内活性会賞」を受賞。この頃のHACHIDORI COFFEEは、4人の女性グループ(うち3人が母親)によって運営されるキッチンカーとして紹介されており、コーヒーカップには森林認証紙を使用、コーヒー豆にはフェアトレードのものを採用するなど、環境配慮を前面に出した業態であったことが分かります。なお、公式Instagramのプロフィール欄には「from Oct 22,2022 to June 7,2026 キッチンカーは閉業しました」との記載もありますが、これが正式なキッチンカー営業許可の取得期間を指すのか、あるいは別の意味を持つのかは公開情報からは判然としません。2019年の始動から2022年、2026年まで、資料によって示す時期に幅がある点は、その旨を明記しておきます。

「バリスタが行商人スタイルで🐪 人と地球に美味しい1杯を!!」

――公式Instagram(@hachidori.coffee)プロフィールより

店が現在の場所に定点を持つまでの経緯も、同じ建物の変遷とともに読み解くことができます。相生町2-52の建物は、もともと「さくらハウス」という名で親しまれてきた築70年ほどの古民家をリノベーションした複合施設で、横浜デザインプロダクションと横浜コミュニティデザイン・ラボが運営に関わり、1階はバー的な空間、平日昼間はカレー店などのテナントが入る場所でした。HACHIDORI COFFEEは、この建物内のテナント「棚のあいま」で不定期にコーヒースタンドとして出店していた時期があったことが、過去のInstagram投稿から確認できます。そして2025年5月5日、この古民家が「chechembo」という名の新しい複合施設としてリニューアルオープンし、HACHIDORI COFFEEはその1階に定点コーヒースタンドとして正式に入居しました。同じ建物の中を「不定期の出店先」から「毎日そこにある定点」へと関係を深めていった経緯は、キッチンカーから固定店舗へ移った他店とは異なる、じわじわとした定住のプロセスだったと考えられます。

店舗名
HACHIDORI COFFEE(ハチドリコーヒー)
所在地
神奈川県横浜市中区相生町2-52 chechembo 1F(旧・さくらハウス)
アクセス
JR関内駅から徒歩4分/みなとみらい線日本大通り駅から徒歩6分/みなとみらい線馬車道駅から徒歩5分
経緯
2019年、キッチンカーとして活動開始(4人の女性グループ)→建物内テナント「棚のあいま」等での不定期出店→2025年5月5日、chechembo1Fに定点コーヒースタンドを出店→2026年6月7日、キッチンカー営業終了、現在は定点+行商のハイブリッド
営業時間
平日10:00〜19:00・土日11:00〜19:00(水曜定休)※食べログには「月・火・木・金9:00〜19:00」の記載もあり、資料により差異あり
席数
10席(食べログ)※CafeSnapには「30席以上」の設備チェック項目もあり、資料により差異あり
支払い方法
現金・QRコード決済(PayPay)可、カード・電子マネー不可(食べログ)
受賞歴
日本大通り”みなとまち食のEARTH fes”にて関内活性会賞受賞
コンセプト
「ハチドリのひとしずく」を核にした環境配慮型経営。フェアトレードコーヒー豆、森林認証紙のコーヒーカップを使用
公式サイト
hachidoricoffee.storeinfo.jp
公式Instagram
@hachidoricoffee
公式Threads
@hachidori.coffee
公式Facebook
HACHIDORI COFFEE
お問い合わせ
hachidori.coffee@gmail.com(出店・ケータリング相談)
店舗立地研究所が「注目すべき」と感じた3つのポイント
1.車両は手放しても、「行商」という言葉は手放さない

2026年6月7日にキッチンカー営業を終了したにもかかわらず、公式SNSの肩書きは今も「横浜コーヒースタンドと行商」のままです。設備としてのキッチンカーと、思想としての「行商」を分けて捉え、後者だけを継続する姿勢に、この店の一貫したブランド観が表れていると考えられます。

2.古民家という「共生の器」に定点を持つ選択

chechemboは、アフリカ布雑貨を扱う「OdiOdi」や鍼灸院と同じ建物内で役割分担する複合施設です。単独の店舗を構えるのではなく、異業種と器を共有する形で定点を得たことは、開業コストを抑えつつ、施設全体としての回遊性を取り込む選択だったと見ることができます。

3.2019年から一貫する「ハチドリのひとしずく」という物語

フェアトレード豆、森林認証カップ、女性主体の運営体制など、2019年の始動時から掲げてきた環境配慮の思想は、業態が変わった現在も変わらず核として機能しています。業態の器(キッチンカー→定点+行商)が変わっても、中身のコンセプトは一貫して保たれている点が特徴です。

立地分析:関内は「単身68.5%×ビジネス集積×スタジアム経済圏」の複合商圏

店舗立地研究所が公開している関内駅商圏データ(半径1,000m圏)によれば、夜間人口46,085人に対し昼間人口147,443人、昼夜比3.20という、神奈川県庁・横浜地方裁判所・企業本社群が集積する「横浜のビジネスコア」としての性格が際立つ商圏です。総世帯数29,149世帯のうち1人世帯が68.5%(19,982世帯)を占め、全国平均(38.0%)の1.8倍に達する「超単身型」の住居構造を持ちます。民営借家が54.6%、共同住宅が94.7%という数値も、都心型マンションに住む単身就業者が商圏の主役であることを裏付けています。高齢化率は19.9%と全国平均(27.8%)を大幅に下回り、現役世代が圧倒的に厚い、横浜都心らしいダイナミックな人口構成です。

この商圏特性は、HACHIDORI COFFEEのような999円以下のテイクアウト中心のコーヒースタンドにとって、相性の良い土壌だと考えられます。1人世帯が7割近くを占める都心居住層にとって、駅から徒歩4〜5分の場所で気軽に立ち寄れるコーヒースタンドは、日常的な生活導線に組み込みやすい業態です。さらに、関内駅1km圏には飲食店が1,929店舗集積し、年間小売販売額は約1,925億円という規模を持ちますが、この数字の多くはビジネス街のランチ需要と、2026年3月19日にグランドオープンした「BASEGATE横浜関内」(横浜スタジアムに直結する55店舗の商業施設)に代表される、横浜DeNAベイスターズの主催試合(年間約70試合・平均約30,000人)が生む「スタジアム経済圏」の特需が押し上げていると考えられます。高所得世帯比率は25.6%(年収700万円以上)で、綱島(31.4%)や新横浜(31.9%)と比較すると同程度かやや低い水準ですが、就業者数134,094人という圧倒的な昼間人口の規模が、購買力の絶対量を支えています。

指標 関内駅1km圏(公開値) HACHIDORI COFFEEへの読み替え
昼夜比 3.20(昼間人口147,443人) ビジネス街の昼食・小休憩需要が濃く、平日日中のテイクアウト利用が見込みやすい。
1人世帯比率 68.5%(全国平均の1.8倍) 気軽に立ち寄れるコーヒースタンドという業態と、都心単身層の生活導線が合致しやすい。
飲食店数 1,929店舗(横浜随一の激戦区) 競合の多さゆえに、chechemboという古民家複合施設内での独自性が差別化要素になる。
スタジアム経済圏 横浜スタジアム主催試合、年間約70試合・平均約30,000人 試合開催日の関内駅周辺人流増は、行商・イベント出店の機会創出にもつながり得る。

※関内駅の商圏データは、国勢調査・経済センサス等を基礎として店舗立地研究所が整理した半径1km圏の公開値です。統計項目により基準年が異なり、店舗の実際の来店客数や売上を示すものではありません。

シリーズこれまでの店舗との違いに見る、「車両を手放す」業態転換の独自性

店舗立地研究所ではこれまで、キッチンカーから固定店舗へと業態を切り替えた「PIZZERIA Sassy」や「Ti leaf」、固定店舗とキッチンカーの二刀流を継続する「andRE」を分析してきました。HACHIDORI COFFEEは、この2つのパターンのどちらとも異なる、第三の道を進んでいるように見えます。

比較軸 PIZZERIA Sassy(綱島) Ti leaf(新横浜) andRE(大倉山→高田) HACHIDORI COFFEE(本記事)
出発点 キッチンカー(2019年) キッチンカー(2023年) キッチンカー(イベント出店中心) キッチンカー(2019年)
キッチンカーの現在 2025年7月に終了、固定店舗へ完全移行 実店舗化にともない終了 継続中。店舗を”母艦”として活用 2026年6月に終了。ただし「行商」は継続
立地の性格 住宅地のファミリー層商圏・通学路 ビジネス駅の裏側・住宅地寄り 駅前一等地から住宅地へ移転 都心ビジネス×観光×単身居住の複合商圏
収益源の分散 店舗営業中心 店舗+オンライン物販 店舗+キッチンカー多拠点稼働 店頭+イベント出店・ケータリング(行商)

※「PIZZERIA Sassy」「Ti leaf」「andRE」は当研究所の別記事で分析した店舗であり、比較のための参考情報です。座席数・営業時間などの数値は資料により差異があり、店舗の実際の営業状況を保証するものではありません。

開業からの軌跡:出向く店が、定点を得るまで

HACHIDORI COFFEEの歩みを時系列で整理すると、「動くこと」を主軸にしてきた店が、じわじわと定点を得ていく過程が見えてきます。2019年、4人の女性グループがキッチンカーとして活動を開始し、同年11月には日本大通り「みなとまち 食のEARTH Fes」に出店して関内活性会賞を受賞しました。その後も、戸塚青果市場での「とつか感謝祭」への出店(2020年1月)や、横浜市中区黄金町の高架下スタジオでの出店、埼玉・狭山市保健所でのキッチンカー営業許可取得など、地域を横断したイベント出店・行商を積み重ねてきたことが公開情報から確認できます。

建物の変遷:「さくらハウス」から「chechembo」へ
相生町2-52の古民家は、もともと横浜デザインプロダクションと横浜コミュニティデザイン・ラボが運営する「さくらハウス」として親しまれてきました。HACHIDORI COFFEEは、この建物内のテナント「棚のあいま」で不定期にコーヒースタンド営業を行っていた時期があり、この時点ではまだ「行商」の延長としての出店にすぎませんでした。しかし2025年5月5日、同じ古民家が「chechembo」という新しい複合施設としてリニューアルオープンし、HACHIDORI COFFEEはその1階に、アフリカ布雑貨を扱う「OdiOdi」や鍼灸院と並ぶ形で、正式な定点コーヒースタンドとして入居しました。「不定期に出店する先」だった建物が、「毎日そこにある定点」へと関係を深めていったこの過程は、他店に見られる一度きりの移転とは異なる、じわじわとした定住のプロセスだったと考えられます。

chechemboという定点を得たあとも、HACHIDORI COFFEEはキッチンカーでの出店を並行して続けていましたが、2026年6月7日、公式Instagramにて「キッチンカーは閉業しました」との報告がありました。プロフィール文には「作りたいものがたくさんあるので、マイペースにやっていきます」との一文も添えられており、車両の維持・運行という負荷の大きい業態から距離を置き、chechemboという定点運営と、身軽な「行商」(車両を伴わないイベント出店・ケータリング)へと軸を移していく意志が読み取れます。キッチンカーという「動く店舗」を手放しながらも、「行商」という肩書きそのものは今も変わらず掲げ続けている点に、この店が大切にしているものが表れているように見えます。

さらに広がりそうな3つの可能性

ここからは、店舗の現在の顧客構成や実施状況を確認したものではなく、公開情報と業態の傾向、エリア特性から考えられる今後の可能性です。すでに実施されている取組が含まれる可能性があります。

1.chechembo内のOdiOdi・鍼灸院との回遊設計

同じ建物内にアフリカ布雑貨の「OdiOdi」と鍼灸院が入居していることを踏まえると、施術待ちの時間にコーヒーを提供する案内や、雑貨を眺めながらコーヒーを楽しめる回遊の仕掛けを明確にすることで、複合施設全体としての滞在時間を伸ばせる余地があると考えられます。

2.キッチンカー時代からのファンへの「定点開業」の周知

2019年から地域を横断してイベント出店・行商を続けてきた経緯を踏まえると、当時から店を知るファンの中には、chechemboでの定点開業を知らない層もいるかもしれません。「あの行商が関内で定点を持った」というストーリーを積極的に発信することで、旧来のファンを定点への来店につなげられる可能性があります。

3.スタジアム経済圏・観光回遊客への訴求

2026年3月にグランドオープンした「BASEGATE横浜関内」や横浜スタジアムの主催試合による人流増、あるいは中華街・みなとみらい方面からの観光回遊客に対して、「行商」という機動力を活かした試合日限定の出店やコラボレーションを行う余地もありそうです。

店舗経営の視点:車両を手放した後の身軽な出店モデル

キッチンカーという設備投資と維持コストの大きい業態から、定点+行商というハイブリッドモデルへ移行するHACHIDORI COFFEEの経営スタイルには、同様の展開を検討する個人店にとって参考になる視点もあります。以下はHACHIDORI COFFEEが現在必要としている、または各手法を採用していると確定したものではなく、同様の経営スタイルを検討する事業者にとっての一般的な検討点です。

車両維持費から施設賃料への固定費の付け替え

キッチンカーの車検・燃料・保険といった維持費は、稼働率が低い時期でも一定のコストが発生し続けます。これを複合施設内の定点スタンドという固定費に切り替えることで、コストの見通しを立てやすくなる面があると考えられます。

車両を伴わない「行商」という身軽さの維持

キッチンカーという専用車両を手放しても、簡易な器材でのイベント出店やケータリングという形の「行商」は継続可能です。固定費の大きい車両を持たずに広域展開できる柔軟性は、定点運営と両立させやすい選択肢だと考えられます。

複合施設内テナントとしての差別化戦略

雑貨店・鍼灸院と同じ建物内に定点を構えるという業態は、単独の路面店とは異なる集客構造を持ちます。異業種と客層が重なりにくい分、施設全体としての回遊性をどう作るかが、長期的な差別化の鍵になると考えられます。

【街の店舗分析まとめ】動くことをやめない店が、定点を持つということ

HACHIDORI COFFEEを「関内の古民家カフェ」という一言で紹介することは間違いではありませんが、それだけではこの店の面白さの半分も伝えられません。2019年、4人の女性グループが「ハチドリのひとしずく」という寓話をコンセプトに始めたキッチンカーは、日本大通りのSDGsイベントで賞を受け、地域を横断する行商を重ねながら、同じ相生町の古民家の中でじわじわと関係を深め、2025年に「chechembo」という定点を得ました。そして2026年6月、キッチンカーという車両そのものは手放しましたが、「行商」という肩書きと思想は今も変わらず掲げ続けています。PIZZERIA SassyやTi leafのようにキッチンカーを”卒業”して固定店舗へ完全移行するのでもなく、andREのように固定店舗とキッチンカーを両立させ続けるのでもない、車両だけを手放して思想を残すという独自の道を、この店はいまも歩み続けているのかもしれません。

地域のお店を、商圏データと一緒に紹介します

店舗立地研究所では、飲食店、物販店、美容サロン、パーソナルジムなど、地域で営業する店舗の魅力を、立地・商圏・顧客層の視点から紹介しています。

掲載・取材をご希望の店舗様は、公式LINEまたはお問い合わせフォームからお気軽にご連絡ください。店舗の出店・移転・商圏分析、事業計画、資金調達、補助金活用、集客、省力化のご相談についても対応しております。

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出典・確認資料

執筆・分析:太田 満/編集:店舗立地研究所編集部

本記事は店舗の優劣や経営状態を格付けするものではありません。公開情報を用いて、地域店舗の魅力と立地・店舗経営上の可能性を独自に考察したものです。売上、利益、実際の顧客構成等を推定・保証するものではありません。

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この記事を書いた人

太田 満のアバター 太田 満 店舗立地研究所及び合同会社ビジネスデザインラボラトリーズ代表

合同会社ビジネスデザインラボラトリーズ 代表社員
店舗立地研究所 代表

株式会社みずほ銀行にて16年間、数百社の中小企業オーナー・個人事業主の渉外・融資審査・経営相談業務に従事。
2021年独立後は創業支援・店舗出店支援を多数手がける現役コンサルティング会社代表。

専門は店舗事業の商圏(エリア)分析。2,000以上のエリア分析を実施し、「負けない店舗経営」「失敗しないフランチャイズ選び」を支援中。

資格:中小企業診断士・宅地建物取引士・フランチャイズオーガナイザーのほか、賃貸不動産経営管理士・管理業務主任者・不動産証券化マスター・M&Aシニアエキスパートなどの資格も保有。

第19回(2026年4月30日締切)小規模事業者持続化補助金の申請者に対して、KLA(KDDI Location Analyzer)を用いた自社商圏分析サポートを実施。

その他、税理士事務所様などと共催の補助金セミナーなども行っており、店舗立地や補助金などのセミナー依頼も、公式LINEからお気軽にお問い合わせくださいませ。

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